第2話

「うぅ…僕はどうすれば良いんだ…」


龍之介さんは、今の文さんにも気付いてないみたい。

どこまで悩むんですか!?




「龍之介さん!」


私は、龍之介さんの両腕をつかんだ。




「……め…めぐみさん……」


「すんでしまったことを悔やんでどうなるっていうんです?」


「ですが…僕は…あなたに対して酷いことをしてしまった……」


「そりゃあ、あなたに押し倒された時はびっくりしましたが…」


「えっ!ぼ、僕があなたを押し倒したんですか?」


「は、はい。

龍之介さんに声をかけたら、龍之介さんが私を布団の中に引きずり込んでそして……」


私は、か細い声でそう言って、龍之介さんから顔を背けた。




「な、なんと…僕があなたを……」


「仕方ありませんわ。きっと、男性の本能みたいなものなのでしょう。

私は古風な女ですから、最初は抵抗したんですが、男性の力には敵うはずもなく…

だから、諦めたんです。

大きな声を上げれば、文さんが飛んで来てくれたかもしれませんが、そんなことをしたら、あなたが咎められる…

大好きなあなたに、恥をかかせるのもいやでしたから、それで……」


「……そうだったんですか……めぐみさん……本当にすみません……」


龍之介さんは鼻にかかった声でそう言った。

え?もしかして、泣いてる??

まさかね…そんなことで泣かないよね?

ちょっと盛りすぎたかな?と心配になって、私は、龍之介さんの方に目をやった。

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