予期せぬ告白
第1話
「あぁぁ……僕は何ということを…」
龍之介さんは、頭を抱え、苦悶の表情で呻いた。
「私…後悔なんてしてません。
それに、最近はこういうことから始まる恋愛も良くあると聞きます。」
そんなしらじらしい言葉が、私の口からするりと飛び出した。
「うぅぅ…なんてことを……」
だけど、龍之介さんは、私の言葉など耳に入っていないような様子で嘆き続けていた。
「龍之介…めぐみ…ちょっといいかにゃ?」
ちょうどその時、ふすまの向こう側から声が聞こえたのと同時に、そのふすまが開かれて……
「あいや……す、すまんにゃ。」
文さんは、そう言うと、慌ててふすまを閉めた。
う~ん…なんと、ナイスなタイミング!!
今の状況を見れば、私と龍之介さんの間に何があったのかは、誰だってわかる…
いや、実際はなにもないけどさ…
文さんまでが誤解してくれたら、龍之介さんもさらに言い訳出来なくなるよね…
(うっしっし……)
蘭丸の作戦がこんなにうまくいくなんて…
感謝しなくちゃね。
今日は上等の油揚げでも買って帰ってやろうっと。
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