第3話
「じゃあ、またあとでにゃ。」
「え?」
猫は、ぴしゃりとふすまを閉める。
「あ、あの…」
猫は私の戸惑いにも気付かずに、また長い廊下を奥へと歩き始めた。
龍之介さんともっと話したかったのに…
「えっと…
あ、あの…今の龍之介さんは?
ここに住まれてるんですよ…ね?」
「龍之介は、居候だにゃん。」
猫は振り返りもせずに淡々とそう言った。
「居候……」
やっぱり彼はここに住んでるんだ…
残念ながら今日はちょっとしか話せなかったけど、隣なんだから、会おうと思えばいつでも会える!
会ってるうちに、もしかしたら、愛が芽生えるなんてことも…きゃあーーーー!
でも、可能性は大だ。
このあたりにはそもそも人が少ないし、特に私みたいにうら若き乙女はあんまりいないはずだもん!
(チャーーーンス!!)
引っ越して運気が変わるって話はよく聞くけど…もしかして、これって吉方位とかいうやつですか~?
私は、龍之介さんに出会うためにここに導かれた!?
今までなかなか恋愛がうまくいかなかったのは、ここで龍之介さんと出会うためだったりして…
なんだか、考えれば考えるほど、私の顔はにやけていった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます