第2話

「龍之介、お客だにゃん。」


「お客さん?」


日当たりの良い縁側に腰かけていたのは、まるでヴィジュアル系みたいな超美形の若者…

長い髪はさらさらと音がしそうなくらいにしなやかで、つややかで…

切れ長の瞳、鼻筋が通り、形の良い唇はさくらんぼみたいにぷるぷるで…



(な、なんでこんなところに、こんなイケメンが!?)



ゆっくりと振り返ったイケメンは、猫がしゃべることにも立って歩くことにも、全く違和感は感じてないみたいだ。

落ち着きはらった雰囲気からして、多分、このイケメンはここに住んでいるんじゃないかと思えた。



「隣に越してきた東雲だにゃん。」


「し、し、東雲めぐみです!

よ、よろしくお願いします!」


「東雲さん…初めまして。

僕、五所川原龍之介ごしょがわらりゅうのすけって言います。」


そう言って、微笑んだ顔はまさに天使のごとき美しさ…




(ツ、ツイてる!

越してきた早々、こんなイケメンと知り合いになれるなんて…!)



私はにやけそうになるのを必死に堪えた。

猫がしゃべろうが立って歩こうが、もうそんなことはどうだって良い。

私の心の中は薔薇色に染めあげられていた。

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