第4次【黒き覇者】6節【無謀!?神殿戦闘】

いきなりの轟音と無数の瓦礫と共に現れたのは、巨大な赤いドラゴン。

解析アナリシス-Ⅹ】が発動し、それの情報を表示する。

【ヴァルガングドラゴンLv991_HP値:1230000………】

ヴァルガングドラゴンか、でも鱗が透けてるし、角が生えてる時点で変異種へんいしゅだな」

通常のヴァルガングドラゴンであろうとも、部隊型レイドタイプだ。

「………あいつ呼ぶか。【契約獣召喚サモン・パートナー】。」

現れたのは、相方契約した【セイント・オブ・ミッドナイトドラゴン】。

「あの赤いやつ一緒に倒すぞ!」

「グオオオォォン!!」

卓越した力を備えた1人と1匹は、巨大な部隊型難易度五レイドがた亜種イベントボスに立ち向かう。

        *        *       *

「取り合えず挨拶代わりにっ!」

魔皇剣【ルーブルヴァイン】は水・光属性。それを、力任せにまず1発叩き込む。

何のスキルもかかっていないとはいえ、最強種のステータスで振られた魔剣はヴァルガングドラゴンの赤い鱗に食い込み、その鱗を削ぎ落した。(解析じゃあまり大したダメージ出てないな。スキル使うか)

ミッドナイトドラゴンが後方からモンスター専用攻撃スキル【龍火の戦光】を撃ち出し、援護する。

「じゃ、こいつはどうかな……!」

無詠唱で放たれるのは、水を纏った光と闇の槍。

  水・光・闇属性複合系魔法スキル【クォーツ・エレメンタルフォース】。

槍は勢いよくドラゴンに突き刺さり、ヴァルガングの弱点である水属性を持つ上位魔法スキルが赤竜に対して暴れまわる。

弱点の魔法だけあって、ヴァルガングドラゴンのHPは目に見えて減っている。具体的には1割半程だ。

「さすが亜種。硬ったいね~。じゃ、これは?………行くよ?」

数秒間の眩い沈黙。その後に放たれるのは前と後ろからの前後同時攻撃挟撃

パートナーモンスターと一緒でないと使えない攻撃スキル。

協力専用「系統外」特殊系最上級スキル【ブラッド・インパクト】。

深紅の刃が前後から延び、赤竜の胴体に勢いよく突き刺さる。

【解析】では、更に3~4割ほど減少し、残りは5割ほど。

ブラッド・インパクトのせいで姿勢を崩している赤竜に、更に追撃を叩き込むため上へ跳ぶ。魔皇剣【ルーブルヴァイン】が光を放ち、分裂して「双剣」へ変化する。

     水・光属性双剣系武芸スキル【双鳳斬そうほうざん】。

斬とついているが、打撃ダメージも与えられる数少ない強力スキル。

同時に後ろからも攻撃が加わり、ただでさえ姿勢を崩していて防御できない赤竜はその攻撃をすべてまともにくらい、巨体を四散させた。

盛大な爆発音がそこら中に鳴り響き、青い欠片がばらばらと落ちる。








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