第3次【死神降臨】3節【冷酷な紅眼と復讐】

ある時を境に、カインはこういう異名で呼ばれることになった。

                【死神】。

原因は親友の死であり、その憎悪の矛先はPK集団すべてに向いた。

黒髪紅眼に変貌し、その身には可視出来そうなぐらい激しい怒りのオーラを纏い、黒い革防具に身を包んだ青年カインは、

それまでの黒眼に宿っていた穏やかな気配が完全に消え去り、冷酷さと憎悪と怒りが取って代わってその紅く変わった竜の眼に満ちていた。

彼は何も言わずに、親友を殺したPK集団ギルドのアジトへ向かう。

そしてどうしたかというと…

100PK1

しかもその間もその後も、何も言うことなく、そしてどんなことがあろうとも、表情すら少しも変えなかった。

流れ作業のようにPKを探し出し、何の躊躇もせずに斬り殺す。PKK《プレイヤーキラー・キラー》(PKを殺す者たち)の協力者から見ると、そのための機械人形きかいだと言われたら、納得してしまいかねないほどに、人形じみた無機質で冷徹な表情をしていた。

それにカインは現在、プレイヤーたちの中で最強の能力値ステータスを誇るため、彼が暴走してしまうと現状抑えようがない。

そしてカインが羽織っている古代級エンシェントランクの黒地に銀のロングコート【宵闇の長衣】は、彼が紅眼となった日を境に、PK・PK殺しに関わっている者たちからすると、死の象徴シンボルと化した。








次回→4節【殺人者狩りの青年と真理の少女】          END

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