第3次【死神降臨】2節【悲劇と豹変】

世界標準日時ゲーム時間で数週間たった日の事…

カインはいつも通り、第2の島【ウォーターステーション】のフィールドでモンスター狩りをしていた。(主に水棲型のモンスターが出現する)

PKが横行しているのは本当らしく、死者の中で人に殺された者の数は数千人に上っていた。この世界には犯罪者を取り締まる法はない。

ちなみに誰も信じようとしなかったカインは、唯一シヴァには信頼をおき、頻繁に情報のやり取りをしていた。 しかしある時、いきなり返事が返ってこなくなったのだ。

(どうしたんだ…?なにも言わずにやり取りをやめるなんてあいつの性格からしてありえない…もしかして……) 強い不安感とともにメインメニューからフレンドリストを開く。   シヴァの欄は灰色になっていた。

「え…あいつまさか、死んだのか……?」 ワープを発動させる。


そこは第2の島の中にある、【宵闇の草原】と言われる場所だった。そして…

     草の中に、蒼色の宝石が嵌まったペンダントが落ちていた。

「間違いない…俺があいつに渡した装身具アクセサリーだ…本当なんだな」

もう1度、フレンドリストを開く。そしてシヴァの名前欄をタップする。

       死因:犯罪者ギルド【悪徳の薔薇】による殺人。

その瞬間、カインの心に湧いてきたのは、強烈な憎悪と怒り、そして後悔だった。

「絶対に許さねえ…シヴァを殺したPKの奴ら、全員殺してやる…」


視界が赤みを帯び、彼の身体を突き動かすのは、激しい怒りであった。

禍々しく、肌を刺すような感覚を与えてくる荒々しい雰囲気オーラは、一瞬だけ、エレメンタリィ・オンライン内のすべてのプレイヤーに感知できるほど、強大で、くらかった。




                            END






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