突然の悲劇と死神と化した「戦神」

第3次【死神降臨】1節【エルフ戦争と最初のPK】

世界標準日時ゲーム時間【聖暦2093年サクラの月初染の日】。

最初の島【ファイアステーション】がカインにより攻略され、第2の島【ウォーターステーション】の主街区【アストラル】の大門が解放アクティベートされたことにより現在時点での生存者約2万7千人は活気づいた。

そしてウォーターステーションから第9の島【アンデッドステーション】までは、アップデートで導入された大規模キャンペーンクエスト【森妖精大戦争エルフ・ウォーズ】がある。

プレイヤーたちも自分たちで道をこじ開けようという気になったのか、第2のボスを倒すための連結レイドパーティの計画もあるらしい。

ちなみにカインは、主街区アストラルの街道を歩いているところである。

突然涼やかな音が鳴る。  「…メッセージか?なんの事だろうか…」

メインメニューを開いてみると、確かにシヴァからメッセージが届いていた。

       *         *        *

〖To,カイン From,シヴァ  件名:大規模クエの情報と事件〗

・第1の島攻略したのはお前だよな?ともかくすごいな~。

ちなみにこの第2の島から第9の島まで続く森妖精エルフクエについてなんだが、どうやらその島ごとのボスに関わる情報を最後にくれるようなんだ。

クエはいくつかの章に分かれてるんだが、その章が終わるごとに貴重レアアイテムが報酬として渡される。そのアイテムを手に入れようと、攻略集団フロントランナーって言われてる2つの集団が競ってるって話だ。

もう1つ、こっちの方が大事なんだが、第2の島のフィールドでプレイヤーが殺された。PKだろうな。お前も注意しとけよ。      END

         *        *        *

「PK…デスゲームになった今じゃ、普通は狂気の沙汰だよな~、まあ襲ってきたら返り討ちにしてやるけどね。自己防衛だな」


アストラルに咲く紅い花【ルビークォーツ】。データの製造物であるはずのその花は、何故か禍々しさを孕んだ血の色を帯びていた。




次回→2節【悲劇と豹変】                 END




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