第1次《悪夢の始まり》2節《押し付けられた攻略義務》

いまだに渦巻く絶望の雰囲気。それを冷静に見ている黒髪黒眼の青年、カインの高ステータスにランキングで気づいた一部のプレイヤーが押しかけてきた。

「あんた、【戦神】保持者だな?この世界から早く解放してくれ!」

みんな言葉こそ違うが、つまり要するに、攻略の押し付けである。

(………みんな早く解放されたいのか。でも自分も強くなったらどうだ)

いささか疲れた表情で街を歩いていると、話しかける声があった。

「なあ……少しあんたに話があるんだが、いいか?」

=============始まりの街郊外=================

「俺はシヴァって言うんだが、さっきあんた、押し付けられていたな?」

「ああ。いささか辟易していたところだ。でもそれを聞くためではないよな?」

「…ご名答。単刀直入にいうが、俺とフレンドにならないか?」

「ああ。別にかまわないが、なぜ?」

「俺も、【戦神】の称号ギフト保有しているからさ」

「…………わかった。じゃあ、これからよろしくな。」

この世界でフレンドになると、特殊なメッセージを送れるようになったり、そのほかにもいろいろ便利な機能が使えるようになる。

ちなみに非フレンド者に送れるメッセージもあるが、相手が違うフィールドにいたり、戦闘中だったりすると送れない。フレンドだと、そのときでも送れる。

人付き合いの苦手なカインにとっては、この世界での、初めてのフレンド。これが後々、、この時は2人とも知る由もなかった。

今はまだ彼ら含め、だれも知らないことだ・・・




次回→3節【孤独な戦者】                END








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