漫画感想文『スノウボールアース 1』(ネタバレ)

 めっちゃ面白いんですけどー(喜)

 

 まだ一巻なのに読んでて泣きそうになりましたし、最初から『こんなに面白くていいのかい』というレベルで凄い。『庵野秀明』氏が帯の推薦文を書いてますけど、それがまったく違和感になってないレベルの作品ですね。


 これがデビュー作とかびっくりするわ。

 作品の『構成力』が新人レベルじゃねー。


『これから面白くなるかも』ではなく一巻からすでに『面白い』作品です。この一冊だけでもお薦めできます。一つのエピソードとして完成度が高いっス。


 作品の系譜としては『エヴァ』に連なる作品の一つだと思いますが、『エヴァ』の影響を感じさせながらもきちんと違う作品となっているのは見事だと思います。


『エヴァ』は『ロボットに乗ることによって(良くも悪くも)人との関係性を取り戻す物語』ですが、『スノウボールアース』は『ロボットに乗ってしまったために人との関係性を失ってしまった物語』です。


 主人公が『コミュニケーション能力』を失っている(育たなかった)という意味では同じですが、その過程がまったく異なっているため、テーマ的には近くともそこに描かれる物語は違う作品となるわけです。


 作品を読むだけでも色んな作品の影響を受けているのは分かりますが、それを上手く自分の作品に昇華している漫画ですね。きちんと自分の漫画に必要な要素を理解したうえで取り込んでいる作者様だと思います。

 

 今までの物語の系譜を理解したうえで、その上に新しい物語を繋げている。

 帯に書かれているように『正しく継承されている作品』だと思います。

 

 いやいや、これでベテランじゃないとか逆に怖いです(汗)


『タイトルの使い方』とか『読み終えた後にカバー裏を見たときの感情』とか『スノウボールアースという作品名の意味』とかそこにきちんと情報を組み込んでますね。


 これはなるべくネタバレしないて読んで欲しい作品ですよ。

 まあ、少し書いちゃってますけどたぶんまだ平気です(汗)

 

 ここから更に面白くなるかはまだ分かりませんけど、すでに面白いのは間違いないです。これで『SF』じゃなければいつか売れると言えるのですが、『SF』なのでまったく断言できません(笑)


 ただ『鬼滅の刃』と同じでこの作品の『主人公』は好きですね。『目的』は明確ですし、自分のやってることをきちんと理解している『主人公』です。好感度高し。


 一巻の時点で幾つもの謎が提示されているので『SF』としても面白いと思います。後は『敵』をどれだけ上手く描くかですね。主人公たちが輝くためには魅力的な(恐ろしい)敵が必要になるのです。


 それが上手く表現できればもっと面白い作品になると思います。

 これから雑誌連載の方を追う予定ですが、毎月の楽しみが増えましたね。


 あと今週の『週刊スピリッツ』に読み切り(第0話)が乗ってるので、面白いと思った人は確保しておいた方がいいでしょう。単行本に収録されたとしても三巻以降にしか収録されないらしいです。


 もしかすると単行本に収録されない可能性もあるので小生は確保しておきました。まあ、まずはネットで一話だけなら『試し読み』ができるので、そちらを読んで続きが読みたいなら単行本をという感じです。


 少なくとも小生はそうしました(笑)

 一話だけなら気楽に試し読みができる良い時代です。


 ちなみに連載しているのは『月刊!スピリッツ』の方です。

 最近読んでなかったので作品を把握するのが遅れてしまいましたね。


『パラパラデイズ』が完結してるのにも気付きませんでした(汗)

『映像研には手を出すな!』は少し前から連載が再開してました。


 それにしても『SF漫画』もいろんな作品が増えて嬉しいです。『蒼き鋼のアルペジオ』は話が大分進んで更に面白くなってきましたし、『太陽系SF冒険大全 スペオペ!』は順調に巻数を重ねてますし。


『ワールドトリガー』は展開が遅く話も地味なのに凄く面白い作品ですし、『クラッシャージョウ REBIRTH』も連載が再開されたのでまだ続きそうですし。


 小生好みの作品がどんどん増えて嬉しい限りです。

 まあ、SF人気自体が上がってる気はあまりしませんけど(爆死)


『面白い作品がたまたまSFだった』という感じでしょうか。

『SF転生作品』もあまり人気無いですし。


『目覚めたら最強装備と宇宙船持ちだったので、一戸建て目指して傭兵として自由に生きたい』は漫画版も好調のようなので需要はあると思うのですが、そもそもの書き手が少ないのでしょう。


 SFは設定作るのが面倒ですから(爆死)

 綿密な設定を作る人は『SF』に向いてると思いますよ。


 まあ、きちんとした設定を作れる人はそれだけで『武器』になりますけど。

『奈須きのこ』氏なんて初期の方で公開した設定を未だに使い切ってませんし。


『作品を作りこむ』ということが面白い作品を作るために必要なことなのです。

 という良いオチになったところで終わります。


<ジャニーズではありません>

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