FGO『地獄界曼荼羅 平安京』 感想(ネタバレ)

 目の前には『悪』がいた。

 背後には守るべき『民』がいた。


 そして。


 己の心には『正義』があった。


 だから。


 結末はすでに決まっていたのだろう。

『奇跡』の訪れない当たり前の終わり方。


『悪』は殺され、『正義』は生きていく。


 それでめでたしめでたし。

 人の世は先の先まで続いていく。


 だけど。


 それが『最善』では無かったと誰かが嘆く。

 他の『道』があったのではないかと誰かが悔やむ。


 それは誰も知らない裏の裏。

 人と鬼。その二つを繋ぐ細い糸。


 天秤のバランスが崩れる前の僅かな時間。

 誰に語られずとも確かにそれはあったのだ。


 それでも。


 その先に奇跡があったのは『もしも』のお話。

 これは人々が求めた『正義の味方』の鬼退治。


 人の世を守るために心を鉄にした『武士』の物語。


―――


 まあ、この辺りは『Fate/stay night』という物語でも語られているのであまり深堀しないでもオッケーでしょう。


 この大江山の鬼退治も『正義の味方』が辿る結末の一つです。

 まあ、正確には『人類の味方』とでも言うべきでしょうか。


 それとは別の結末を選んだのが『例のルート』というわけです。

 こちらは言わずもがな『――の味方』ということになります。

 

『そして、大江山にて』は彼らがもしその道を選んでいたらという可能性でしょう。彼らがそれを選ぶ可能性があったからこそ『源頼光』は『鬼』を殺すことに固執したと推測できます。


 テーマ的にあちこち繋がっているというのが上手いところですね。

 この辺りの仕事はさすが『プロ』という感じです。

 

 ちなみにこれはどれが『正しい』ということでもありません。

 鬼を退治するというのは『人類を守る』うえではベストな選択肢ではあります。 


 なぜなら『鬼』は『人』ではないからです。

 作中でも『鬼を理解することはできない』と説明されます。


 人にとって当然のことが鬼にとっては理解不能。

 鬼にとって当たり前のことが人にとっては悪魔の所業。


 同じ人間同士ですら理解できないのですから他種族を理解しようとすること自体がぶっちゃけ無理です。白旗振ったらドーンですよ(汗)


 だからこそ『奇跡』なわけです。

『バグ』ってどちらかがどちらかを理解してしまう。


 これは前回の『生まれてきた理由と生きていく理由は違う』というお話とも同じですね。偶然によって本来備わっていない『機能』が生まれてしまうわけです。


 まあ、そういう意味では『英霊』となって再会するというのも一つの奇跡と言えるかもしれません。本来起こりえないことが起きているという意味では同じでしょう。


 それで『バカップル』になってるのもいるのでまあまあまあまあ。

 逆に言えばそうでもしなければ幸せになれなかった人たちでもありますし。


 さてさて、今回のMVPは『蘆屋道満』の凡ミスですね(笑)

 まあこれは『遠坂凛』からの伝統でもありますけど(汗)


 もっとも『完璧な計画を立てたら前提が間違っていた』というのはわりとよくある話ですので皆さんも注意しましょう。計画にはダブルチェックが必要なのです。


 とはいえ作中の表現を見る限りでは『蘆屋道満』がグレたのも『安倍晴明』のせいでしょうね。今回の発端もそうですが、『安倍晴明』が『蘆屋道満』という人間の弱さをまったく理解できていないのが原因ですし。


 この辺りは『マーリン』と同じで人の心が理解できない系の人物でしょう。まあ、『安倍晴明』の伝説を考えればこの二人が似ていることも理解できますががが。


 ってか今回は立ち絵も無かったので実装は当分先でしょう。

 やはり『狐』関連であれこれする予定なのかな。


 後は『平景清』ですかね。

 この『英霊』の場合は『ジャック・ザ・リッパー』と同じタイプと推測できます。


 実際の事実というよりは『源氏に恨みを持っていると噂される人物』が選ばれるシステムなのかなーという感じですね。『佐々木小次郎』も似たような感じですし。


 この『英霊』システムのややこしいところですね(汗)

『事実』と『噂』と『空想』の英霊が入り混じっているわけですから。


 まあ、『源氏』と『平氏』に関してはまたいずれ掘り下げられる機会もあるでしょう。まだ出てきていない人物も多いですし、『四天王』もまだ欠場ですしおすし。

 

『鬼』辺りの設定もまだ全部明かされたわけでは無さそうですし。初期の頃から仄めかされていた『茨木童子』の設定は大分開示されてきましたけど。


 あとは『ヤマタノオロチ』とかも少しずつ設定が明かされ始めた感じですね。

『日本系』の神様もほとんど登場してませんし、外国の神様ばっかりやんけー(笑)


 なんか『インド系』はかなり増えてますし。ふつーに考えればやべー奴らばかりなんだけど、普通に馴染んでるという違和感。ギリシャ系は本編でがっつりやった割には思ったより追加されませんでしたし。


 追加されないで思い出しましたけど『シャルルマーニュ』関連もぜんぜん増えませんし。やはりこの追加ペースだと第三部も考えてるんでしょうかなかな。


 ちなみに今回はガチャを回してません。

『平景清』で回そうとしたら来なかったでやんす。


 そういえばそっち関係もまだ実装されてないの多いですね。『那須与一』とか実装されても良さそうなのですが、こちらも温存されてる感じです。


 でわ、今回はこの辺で。

 

<クリスマスは苦しみます(箱的に)> 

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