漫画感想文『HGに恋するふたり 1-2巻』(ネタバレ)

 諸君、『ガンダム』は好きだろうか。

 小生は大好物である。


 この物語の主人公もそんな『ガンダム』に魅入られた『ガノタ』の一人である。

 てへぺろ。


 というわけで今回はガンプラ漫画である『HGに恋するふたり』の感想です。

 ガンプラ漫画としては珍しい『日常系ガンプラ女子漫画』ですね。


『ガンプラバトル』を題材としていないため『ガンプラ漫画』としては地味な方ですが、その代わりに作者様の『ガンプラ愛』が伝わるような作品になっています。


『あるあるネタ』が多いと言いますか、『ファン』なら共感できるような表現がきちんと描かれているため、読んでいてとても身近に感じることができます。


 特にメインとなる『ガンダムSEED』系は読んでてかなり共感できる部分が多いですね。『ガンダムSEED』も『ガンダムSEED DESTINY』も小生は楽しんだんですよん。


『ストライクガンダム』の初登場にはワクワクしたし、『舞い降りる剣』はめっちゃ好きだし、『悪夢』の戦闘シーンだって楽しみましたし、『ラウ・ル・クルーゼ』の最終回付近での無双っぷりとかも良かったです。


 まあ、『ガンダムSEED DESTINY』の後半部分に関しては完全に否定的な立場ですが、それはそれ。これはこれ。それまでの物語が面白かったことに代わりはありません。


 見ていない人に『駄作だよね』と一蹴されるだけの作品じゃないことが『ガンダムSEED DESTINY』というアニメの複雑なところで、『要素』は良かったのですが、その料理方法が悪かったと言いますか、『見せ方』に失敗した作品だと思います。


『ガンダムSEED』という作品のテーマは『運命』です。生まれながらにして背負った『宿命』や避けることのできない『運命』に翻弄される人々の物語。


 それと同時にそんな『運命』に逆らおうとする人々の物語でもあります。『キラ・ヤマト』や『アスラン・ザラ』はもちろん『ラウ・ル・クルーゼ』も自分の運命を切り開こうとした人間でしょう。


 それに対して『シン・アスカ』はあくまでも『運命に翻弄されるだけの人間』として描かれています。彼は主人公ではありましたが、運命を切り開けるような『特別な人間』では無かったわけです。


 そんな感じできちんと新旧主人公が『対比』しているのですが、いろんな意味でぼこぼこにされていく『主人公』の姿を見ていて視聴者が『面白い』と思うかはまったく別問題です。作中でもフォロー無しで終わるのでどうしようもありません。


 ただ『シン・アスカ』に関しては『続編で活躍する予定』があったのだと推測できます。だからこそ逆に『ガンダムSEED DESTINY』ではぼこぼこにされて終わったのでしょう。それが彼の『物語上での役割』だったからです。


(ちなみにスパロボでは精神的に成長した姿を見れたりします)

(興味がある方はそちらをプレイしてみるのも良いでしょう)


 話はだいぶそれましたが、こんな感じで『ガンダムSEED』系のファンはなかなか複雑な感情を抱いているわけです。けっして嫌いじゃないけど全肯定はできないというのが『ガンダムSEED DESTINY』という作品だと個人的には思います。


 まあ、そんなファンの複雑な心境をしっかりと描いているのがこの漫画ですね。

 それと同時に一昔前の『女子オタク』という立場の難しさも描いています。


 女性が『ガンプラが好き』というだけで『変人』扱いされる時代があったわけですよ。親からそれだけで嘆かれてしまうような時代があったんですよん。


 そういう時代を経験してしまった人からすれば『好きなものを好きと言えない』ことが当たり前になってしまうんですよね。自分が我慢すれば上手く行くんだってことに慣れてしまう。


 でも、例えそれに慣れてしまったとしても、好きなものが好きという気持ちがなくなるわけではありません。それを解放した先に新しい世界が待っているのです。


 一人なら難しいことでも二人なら。

 二人で出来ないことも三人なら。


 さて、『ガンダムSEED』系が中心の漫画ですが、別に『ガンダムSEED』に興味が無い方でも『ガンダム』という作品が好きならば共感できる部分が多い作品かなーと思います。


『ガンダムが最初に起動したときの感動』とか。

『戦闘シーンの音が好き』とか。


『ガンダム』という作品の魅力は一つではありません。

『ガンプラ』という世界もガンダムという作品の『面白さ』なのです。


 でわでわ、今回はこの辺で。

 

<影響されて『RGフォースインパルス』購入ちまちた(笑)>

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