『スレイヤーズ 16巻』 感想(ネタバレ)
いつも通りの『スレイヤーズ』じゃったでおじゃる。
いやー、このめちゃくちゃな感じ変わらねーなぁ(笑)
改めて読んで思うことはこの作品は今の『WEB小説の先駆け』ですよね。『スレイヤーズ』という作品は小説を書く上でやってはいけないことをバリバリとやってしまった作品でもあるのです。
『文字が大きくなる』とか。
『擬音語を使いまくる』とか。
『勢い重視の一人称』とか。
まあ、ぶっちゃけ今でもあまり歓迎されない表現です。
下手するとこれをやるだけで新人賞とか落とされるレベルです。
でも、『スレイヤーズ』ではそれが許されているという現実があります。
なぜなら――『面白い』からです。
ある意味では『物語の真理』がそこにありました。小生が今まで読んできた物語の中でもっとも影響を受けたのが、この『スレイヤーズ』という一冊の『ラノベ』だったのです。
(もっとも当時はラノベという言葉はありませんけど)
技法も技術も文章ですら。
その全てが面白さを生み出すための手段に過ぎない。
そのことに気付いたときは衝撃的でしたね。
『小説は自由である』ということに気付かされたからこそ今の小生があります。
(その後、『阿智太郎』氏の作品などにも同じような衝撃を受けました)
(小生が『勘違い小説』が好きなのもこの辺りの影響だと推測できます)
もっともその後『スレイヤーズ』で確立された手法はあまり継承されずに廃れていき、『涼宮ハルヒの憂鬱』辺りで再び盛り返すのですが、それはまた別のお話。更にそれが『WEB小説』という作風に繋がっていくわけです。
小生が『WEB小説』を読んでも拒否反応を起こさないのは、この『スレイヤーズ』を読んでいたというのが大きいです。他にも『清涼院流水』氏とか『舞城王太郎』氏の作品を読んでいたのも大きいですけど(笑)
もしかすると時代がようやく『スレイヤーズという作品に追いついたのかなー』とも考えます。小説は漫画よりも自由なのです。面白ければですが。
そんな感じで『スレイヤーズ16』の方の感想に移りましょう。
むしろまだ一言も本編に触れてないという駄文(笑)
今回の『スレイヤーズ』は作者も後書きで触れたように『特別編』ですね。
『同窓会』と言ってもいいかもしれません。
懐かしいネタを交えつつ、レギュラー陣の活躍を描いた物語。
そのため昔のスレイヤーズを楽しんでいた読者ならすんなりと楽しめるでしょう。
今の感覚だとギャグとか古臭い部分もありますが、それを含めて『スレイヤーズ』という物語。その辺りもわざと現代風に寄せなかったと推測できます。
まあ、『飛んだ』とこはめっちゃ笑いましたけど(爆笑)
これぞ『スレイヤーズ』ですね。シリアスとコメディがごっちゃまぜ。
敵の強さは相変わらずです。強敵という存在感があります。
やはり強い敵に立ち向かうというのは王道的面白さですね。
『ドラグ・スレイブ』の呪文詠唱も久しぶりに読みましたが、今でもカッコいい。小生も色んな呪文を読んできましたけど、その中でもトップクラスじゃなかろうか。
小生としても昔の作品なので『今読んだらもう面白く感じないんじゃないだろうか』という不安はありましたが、そんなこともなくふつーに上位レベルに面白い。
もう『ラノベ』とはこうあるべきという『一つの完成形』ですね。
読み始めたら終わりまですらーと楽しく読めちゃうんですよ。
まだまだ続編大歓迎です。
というわけで次回は『スレイヤーズ 17』の感想です。
先にネタバレしちゃうと、こっちも面白かったです。
ほんとに娯楽に特化した作品を書けるのも大いなる才能だと思いますヨ。
<ロストユニバースも好きですん>
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