リビルドワールドの魅力(ちょいバレ)

 まず語るべきことは、


『読めば分かるさ』


 ということです。

 とてもシンプルで投槍ですね(笑)


 ですが、これが小説(物語)の真理です。

 ごちゃごちゃ細かいことを言わずに、興味があるなら読む。


 書籍版は有料ですが、WEB版は無料ですので。一つの区切りとしては31話まで読んでぴんと来なかったら、おそらく合わない作品だと思われます。個人的には61話までが読むのがいいと思いますけど、量が多いので無理には進めぬ。


 徐々に面白くなっていく。

 どんどん世界観が広がっていく。


 そういう作品ですので、最初の方で少しでも面白いと感じれば、その面白さがどんどん広がっていくと思います。まあ、保障はしませんけど(笑)


 と、ここで終わるのがもっとも最善なのですが、なかなかそうならないのが現実でした。『読め』と言われて『読む』読者がどれだけいるかというお話。小生の読者としての信頼度の無さです。かりすまー!


 だからこそもう少し踏み込んで書かなければならぬわけですな。

 でも、何の先入観もなく読むためには、この先の文章は読まない方がいいですヨ。



 改行。

 改行。



 さて、『リビルドワールドの魅力』と一言で言ってもこれが難しい。

 なぜなら、この作品の魅力は『複合的』だからです。


『WEB小説』にありがちな『一点突破型』ではありません。

 様々な要素が高いレベルで合わさった『複合的な面白さ』なのです。


 例えば流行の『チート要素』を入れつつ、『主人公の成長』を一からきちんと描く。その二つの要素を作品の中で両立させたことで、それぞれの『良い部分』を使用した物語となっています。  


 あくまでも現代の流行である『チートもの』として主人公を活躍させつつ、そこにかつての流行だった『主人公の成長物語』という要素を大々的に書き込めるようにする。


 そのバランス感覚が素晴らしいかと。

 両方の要素が上手い具合に楽しめます。


 更に『戦闘シーン』も様々な要素を取り入れて『複合的』と言えるでしょう。あんまり書くとネタバレなのでカットしますが、『主人公の成長要素』と合わせて様々な『戦闘シーン』が楽しめます。戦う相手も盛り沢山の内容です。


 これだけでも『エンタメ』としては十分なのですが、そこから更に更に『登場人物にきちんと利害を入れて行動させる』ことによって、物語全体に『深み』と『テーマ』が盛り込まれた作品となっています。


 この物語の主人公である『アキラ』は当初『何の価値も無い人間』でした。

 はっきり言えば『誰も彼を救う理由が無い』と言えるでしょう。


 例えこの状態で他の誰かと合ったとしても、彼ら/彼女たちは『アキラ』という個人を救ってはくれません。心の中で助けたいと思っていても、それを実際に行動に移すような人間はほとんど存在しないような世界観です。


 ですが、『アキラ』が『アルファ』と出会ったことにより、彼には『様々な価値』が生まれます。その『価値』が生まれたことにより、彼はようやく『一人の人間』として扱われるようになります。


 でも、だからこそ『アキラ』は『信じない』のです。誰かの優しさに救われなかった人間だからこそ『自分で生きていく』しかありません。


(もしも『英雄』に救われていれば『アキラ』は彼の取り巻きの一人になっていたでしょう。あるいは『別の誰か』に拾われていれば『忠実な犬』になっていたかもしれません)


『人間関係』や『利害関係』というのがこの作品のテーマの一つと推測できます。

『価値』や『利益』を求めて協力し合ったり、殺し合ったりする人の業。


 人を殺すことですら『利益』の一つでしかない。

 それぞれに違う価値観の元に『損得』を判断する。


 この物語の登場人物は『自分の価値観』を元に行動していきます。

 逆に言えばあまり『他人の価値観』を理解して行動はしません。


 多くの登場人物が『アキラ』という人間を誤解しているように、他者を理解することの難しさも描かれています。


 人を殺そうとした人間が逆に仲間を殺されて『簡単に殺しやがって』と悪態をつくシーン。その台詞の身勝手さ。自分たちのことしか考えていない傲慢さ。


 でも、それは『アキラ』という主人公も変わりません

 彼を救った『アルファ』もまた同じです。


 もしかすれば『話し合いで解決できた』ことが、お互いに『信用』できないため破綻する。もしかすると『理解し合える』はずだったのに、些細な『誤解』から殺し合う。『信頼できない世界』で展開される人間ドラマの数々。


 まさに殺伐とした世界ですな。

 ですが、それもまた人の世の在り方です。


 このようにエンタメとしても面白く、物語全体を通して描かれるテーマ性も高い作品です。難点としては文章にちょっと癖があり、SFなので武器とかの説明も多めなところ。


 まあ、『こういう作品』が好きなら間違いなく一級品なのでお薦めです。ファンタジーはたくさんありますが、『こういう作品』は読みたくても無いんですよ。


 ブームよ広がれ。

 ブームよ広がれ。


『リビルドワールド』みたいなゲーム誰か作れー。

『ボーダーランズ3』購入予定(笑)


 あ、ちなみに更新分の『260話』まで読みました。

 今回も面白かったです。更に物語が広がったなー。


『あれ』と『あれ』と比較対象として描いたのは感心。

 ネタバレになるのでカットですけど(笑)


<完>

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