書籍版『リビルドワールド 1』 感想(超ネタバレ)
うーん。
うーん。
難しいなぁ。
もの凄く判断に困る『書籍版』となってしまいました。
書くべきか、書かざるべきか。正直もの凄く悩んでいますが、書かなければ『小生とカクヨム』の存在意義などくそ皆無なので書きましょう。
でも、あくまでも『個人的主観ですよ』と逃げを打っておきます(汗)
さて、まず最初に明言しておくのは、
『書籍化としてはプラスマイナスゼロぐらいの仕上がり』
ということです。
ただ個人的には、
『若干マイナス拠りの書籍化』
という感想になりました。
ええ、久しぶりに石が飛んできそうな予感(大汗)
ですが、今回の書籍化に関しては『なぜマイナスなのか』という理由をはっきりと言うことができます。
それは『WEB版の重要なシーンをダイジェストにしている』からです。
WEB版の第5話『対価の価値』がその部分です。
もちろん『書籍化』に関して『色んな意図』があるでしょう。
小生が知らない事情もあるはずですし、ある程度は推測することもできます。
それでもこの部分を省くという判断を支持することはできません。なぜなら、このシーンは『リビルドワールド』という作品の『基礎』の一つだからです。
ここで主人公が『選んだ道』が物語に大きな影響を与え続けます。
例え『対価』を払うことになったとしても、彼は『それ』を選びました。
(細かい部分はネタバレになるのでカットします)
(気になる方は自分で読んで見ましょう)
(そこに何を感じるかもその人次第ですが)
その重要なシーンを『ダイジェスト』にしてしまえば、今後の物語の受け取り方自体が変化してしまう危険性すらあります。かなり危険な賭けです。普通なら避けるべき選択肢です。
そのうえ『ダイジェスト』の余波で前後の流れが悪くなり、最初のハンターとの対決シーンで『アルファが判断ミスを下す』という微妙な展開となってしまいました。あそこは圧勝するという展開に意味があり、この時点で物語が変化しています。
序盤を読み終えた小生は『期待できないかもしれない』と思いました。冗談じゃなく、ダイジェストになった部分を読んだとき『もう読まなくてもいいかな?』と一旦読むのを止めました。
もっともこれは『WEB版』を読んでるからの反応で、『書籍版』から入った読者はそこまで違和感がないと思います。むしろそうなるようには作ってあると感じました。
いろいろと頑張ってはいますし、カバーし切れてませんが、カバーできてはいないとまではいいません。序盤の他の戦闘シーンでなんとかオッケーという気もしなくはないです。
それでも『最初の対人シーン』が『ダイジェスト』になってるのは『変だなー』と感じる人はいると思います。明らかに不自然ですよこれ。その後のシーンと微妙に繋がってませんし(汗)
作者様と編集の方がこんな不自然にことをする理由がほとんど思いつかないので、おそらく何かしらの理由で『規制が入ったのではないか』と推測しています。
考えられる理由としては『子供同士が金の取り合いから殺し合いになる』という展開を危惧した可能性かなー。書籍版では襲撃者が『子供』であるという部分ですらぼかしてる感じがしますし。
『漫画化』や『アニメ化』を視野に入れた場合、過激すぎるという判断が下されたかもしれません。
もっとも、例えそうだったとしても『ダイジェスト』にするというのは良い手だとは思えません。中途半端にやるぐらいだったらきちんと内容を変えるべきでしょう。
あるいはそこだけ『WEB版を読んでください』というメッセージの可能性もあります。あえて『ダイジェスト』にすることで何かしらのメッセージを込めたとか。
いやはや、マジで分からんのです。
ここに一体何の『意図』と『意味』があるのか。
別なシーンに差し替えられていればそこまで違和感は無かったかもしれません。
でも、それをせずに『ダイジェスト』にしてまで残した理由が分かりません。
まあ、一番最初に考えた理由は『枚数制限』ですけど(汗)
その場合は夢のシーンをカットして、この部分をきちんと入れるべきだったとしか言えませんね。
あるいはお風呂のシーンを短くするとか。
こちらもわりと重要なシーンですけど、影響は最小限に抑えられるはず。たぶん。
もう一つの可能性としては『どうすることもできなかった』と考えることもできます。前後の影響を最小限にするために『ダイジェスト』という表現を選んだのかもしれません。
(下巻に回想として使用する可能性も少しだけあります)
(ただそれをしたとしても上巻の違和感は消えませんががが)
うーん、どうなんだろうな。この『ダイジェスト』の部分にめっちゃ文句言ってますけど、逆に言えば違和感を感じたのはこの周辺だけで、中盤から後半はWEB版同様に面白かったです。
全体的に改編されていて『WEB版より面白くない』という一言で無視できるなら分かり易いのですが、違和感を感じるのはこの『ダイジェスト』の前後だけで、後はまったく問題ありません。カットされてる部分も自然と流せる程度でした。
ほんとに最初の方は期待してなかったのですが、中盤と終盤を読んで『あれ? これは期待できるんじゃない』という心境に戻りました。
作中のイラストも良いし、モンスターとかの設定画も『アニメ化を意識してるんじゃないか』というぐらいしっかりしてると思いました。最後の『押絵』のとこは好きです。
キャラクターも自分のイメージとは違う部分もありますが、それでも問題なく受け入れられました。
『エレナ』と『シズカ』の二人はちょっとイメージと違いましたね。
『アルファ』と『シェリル』と『サラ』はだいたいイメージ通り。
一番イメージと近かったのは『アキラ』で、幼さと野性味が混ざってる感じがいいと思ひます。あ、『ハッヒャ』もイメージに近かった気がします(笑)
『ダイジェスト』になった部分を除けば、かなり好評です。
そこさえ無ければたぶんべた褒めしていたと思います。
でも、小説は小説部分の評価が根幹です。その小説部分がWEB版より明確に悪いと感じたならば、個人的評価は『マイナス』になります。
でも、そこまで拘ってる読者もたぶんそんなにいないと思います。
全体的に考えれば『プラスマイナスゼロ』には持ち込めるかと。
文章もWEB版より読み易かったような気もします。
細かく比較したわけではないので気のせいかもしれませんが(汗)
それでも小生としては現段階の判断は保留にするしかありません。もしかすると『下巻』ではもっと多くのシーンが『ダイジェスト』になってるかもしれませんし。
もちろんそんなことにはならないと思ってます。
でも、そう思っていてもなるのが世の中というものです。
それが『書籍化』という壁の難しさ。
WEB小説が流行している理由の一つ。
結局のところ、理由が分からないから判断しようがありません。もしほんとに『規制』が入ったとしたら、他のシーンも『規制』される可能性がありますし。
もし『規制』じゃないとしたら、ここを『ダイジェスト』にした意味が分からない。思い切ってカットして、別なシーンを差し込んだなら理解できるのですが。
分からないからこそ『不信感』が残る。
つまり、『書籍化』に対して『信頼』できないわけです。
例えば『嘆きの亡霊は引退したい』の二巻は『WEB版』とは別物ですが、その意図ははっきりと分かるので納得はできます。それが正しいかは別として、きちんとした書籍化になっています。
だから、そこに『信頼』はあります。
まあ、個人的にはWEB版の方が好きですが、それは好みの問題でしょう。
今回の件に関しては好みとか言う以前に『意味が分からない』が全てです。本来には意味が分からないなら『無かったこと』にすればいいのですが、それでも最終的には面白かったので『無かったこと』にもできずに、微妙な心境になっています。
まあ、おそらくは次ではっきりするでしょう。
どっちにしろ『WEB版』の面白さは変わらないので、気楽に待ちますか。
それはさて置き、やはり劇的には売れてないかなーと思います。
少なくとも『初日完売』はしなかったね。『即重版』とか。
まあ、『上巻』ですし『SF』ですし『新人』ですし。
更に『一話完結』と比べるとどうしても手が出し辛いかと。
売れる理由もたくさんありますが、売れない理由もたくさんありますね(汗)
売れない理由を解消して、売れる理由を押し付けられるかが勝負でしょう。
『漫画化がどうなるか?』
『四巻ぐらいまで出させてもらえるか?』
この辺りが分岐点かなーと思います。少なくとも小生がWEB版を見てなくて、この作品を購入した場合、下巻は確実に買ったでしょう。
(もっとも小生が買っても打ち切られた作品は大量にありますががが)
いろいろ文句を言いましたが、やはり面白いです。
しかもこっから更に面白くなっていくのだから堪らんですたい。
でも、面白いからこそ(以下同文)
話がループするので終わります(笑)
でわ、このまま逃亡すると小生も心苦しいので、次回『リビルドワールドの魅力』でお会いしましょう。その前にカクヨムに抹殺されたらさよーならー(爆)
<納得が(以下略)>
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