アニメ観賞『ポプテピピック』 感想(ネタバレ)

「ポプちん」

「ピピ美ちゃん」


 終わってしまいました。

 二人の声が聞けなくなるのが寂しいです。


 まあ、毎回声優が違うので、あれですけど(大爆笑)


 というわけで最後まで『クソアニメ』を貫き通した『キングオブクソアニメ』でした。最終的にストーリーがあったと見せ付けて、それをぶち壊す姿勢。


 見習おうとは思いませんが、尊敬はしますね。たぶん五十年ぐらいはこのクソアニメを超えるクソアニメは出てこないかなーと思います。


 そう言って二三年後に誕生したりするのが、この業界の怖いところですけど(汗)

 BDとか回収騒動になってもおかしくないので、早めに確保しとくかな。


 さて、なんか訳の分からないフィーバーをしている『ポプテピピック』ですが、世の中には二通りの人間がいるわけです。


 このクソアニメを楽しめるアホと楽しめない常人です(笑)


 いや、小生なんかこのアニメが楽しめるという視聴者が多いほど、世の中を心配したくなりますね。小生でもパロディを全部は理解できませんでしたし。


ネットで感想を見て思い出すこともあったぐらいデスクリムゾン。

デスは知ってますけど(笑)


 さてさて、なぜこのアニメが『クソアニメ』であるかと言いますと、完全に『依存型コンテンツ』だからです。


『ポプテピピック』というアニメは、


『パロディ』(音楽ネタも)

『声優』

『視聴者』


 という三つの『他人パワー』を最大限に利用した作品であると考えられます。


『パロディ』は他の作品の存在があるからこそ利用できる要素であり、『声優』は今までやってきた実績も込みで利用することができる要素です。


 簡単に言えば作品にプラス価値を付けるために活用するのが正しい使用方法であり、その二つを作品のど真ん中に置く『ポプテピピック』が異常なわけです。


 もちろん『声優』を主軸とする作品はありますが、その場合でもきちんと『作品そのもの』の存在感はアピールしなければなりません。成功するかは別としても、作品としての形が欲しいわけです。


 その作品としての形に『パロディ』をぶっこんだのが『ポプテピピック』です。

『他人パワー(パロディ)』プラス『他人パワー(声優)』という想像を絶する組み合わせで、作品そのものがそれを補佐する側に回るという博打と言う名の爆弾。


 うへー『おそ松さん』でもここまでやらないよ。

 まあ、あっちは一話が無事お蔵入りしましたけど(汗)


 そして、『パロディ』や『声優(ネタ)』というのは見る側がそれを知っていることが前提の面白さです。だからこそ第三の他人パワー『視聴者』が必要なのです。


 この『クソアニメ』を『キングオブクソアニメ』として完成させるためには、視聴者パワーが欠かせません。それがなければ視聴者はこのアニメが何をやっているのかまったく理解できないからです。ぽかーん現象です。シーン現象かも。


 おそらく外国の方に見せてもまったく理解できない部分は多いと思います。 

 小生はそのパワーが合格ラインだったのでとても楽しめましたけど。


 まあ、パワーが足りていてもつまらないと感じる方は多いでしょう。

 それが正常です。むしろ小生たちが異常です。

 

『なぜ同じようなアニメを二回繰り返して楽しめるのだ』


 そう疑問に思う視聴者も多いでしょう。

 その理由は『ポプテピピック』最大の特徴である『声優活用法』にあります。


『声優』が客寄せパンダにとして扱われることが多い中で、よくぞここまで『声優の信頼と実績』を活用した作品を作ったもんだと感心してしまいますヨ。


 このアニメを見ていれば、『声優』によって作品が変わるということが実感できると思います。声優パワーというのは本来物凄いのです。同じようなパターンを繰り返すからこそ、より声優の力が浮き彫りになったはずです。


 多くの声優さんが協力したのも、それを知って欲しかったのかもしれませんね。

『アニメ』とか『吹き替え』って『声優に生死を握られてる』と小生は思います。


『スーパーナチュラル』の『吹き替え』はきつかった思い出が。

 本編が面白かったので慣れてくると耐えられますががが(汗)


 今でこそかなりマシになりましたが、一時期『声優』という仕事そのものが『誰でも良い』という風潮があった気がします。『神木隆之介』氏とかはどんどん上手くなっていっているので、例外かなーと思いますけど。


『サマーウォーズ』の頃も悪くはないと思いましたけど、『君の名は。』と比べると昔より明らかに上手くなっていてびっくりしました。逆に『サマーウォーズ』の頃はまだ下手だったのかなーと感じました。


 小生も小説などが『アニメ化』したとき、声優が自分のイメージとまったく合ってないと見ないですし。漫画でもそうですけど、『脳内声優』がある程度完成してしまっているんですよね。それを崩したくない。イラストと同じで重要なのです。


 まあ、でも、キャストがしっかりしているとこのズレが少ないです。『星くず英雄伝』のドラマCDとかかなり自分のイメージと近くて逆にびっくりしたぐらいです。


 他にもプロの声優さんの中にアマチュアが混じっているケースもけっこうきついですね。明らかにその人だけ声の出し方が違うというのがはっきり分かってしまうことがあります。


 ただ俳優さんでも違和感のない声を出せる方もいますし、上手くても声優としてはちょっと違和感を感じる方もいます。声質の問題もあるのかもしれません。お笑い芸人でも違和感が無い方もいますし。


 声優の話も限りが無いのでカット。まあ、小生は声優ネタはそれほど持っていないのですが、語れることぐらいはあるわけです。


 さて話を戻しまして、この『ポプテピピック』というアニメは紛れもない『クソアニメ』です。この作品を参考に新しい作品を作ってはいけない作品でもあります。


 ですが、『本気』で作られたアニメでもあります。

 見る人が見れば『手抜きで作られたアニメ』ではないことが分かるはずです。


『パロディ』という業界が築き上げた力を転用し、『声優』という存在を最大限に利用する。そして『視聴者』ならば理解してくれると信頼している。その結果が完璧に成功しても『クソアニメ』になると理解している。


 馬鹿だなーと思います。

 でも、小生は『本気の馬鹿』は嫌いではありません。


 小生も『物語に魅了されてここまで来てしまった馬鹿』ですし。


 馬鹿が馬鹿な作品を作って、馬鹿がその作品を見て笑ってしまう。

 そして、お互いに指差して『お前ら馬鹿だなー』と大爆笑するわけです。


 それが理解できたら『クソアニメ』でも見るしかないわけですヨ。

 

 何と言いますか、製作者も視聴者も『同じ時間を共有した仲間』なのかなーと思いました。『製作者と視聴者』という二つに分かれてしまいましたが、かつて我々は同じものを見ていた仲間だった。


 だったら『分かるだろ』とアニメを通して言われたような気もします。


『分かる』と答えるのも正解ですし、『分からない』と答えるのも正解でしょう。

 けっして押し付けられたわけではありませんから。


『面白いなら良かったね」

『面白くなかったら残念だったね』


 うん、それが一番しっくり来ますね。

 

 あーなんでこのアニメが終わったときに寂しかったのか、今理解できたような気がします。たぶん同窓会みたいなもんだったんですよね。顔を知らない仲間たちとの。かつて楽しんだ物語たちとの。


 あのとき、その馬鹿騒ぎが終わってしまったと理解できなくても、感じたのだと思います。うわー自分でも驚くわ。他人と作品の価値を共有したいとは思わないのに。それは置いてきたはずなのに。


 たぶん『ポプ子』と『ピピ美』はかつての小生たちだったんでしょうね。

 誰かと一緒に物語の中を自由に遊び回った懐かしき日々。

 

 それが『ポプテピピック』という物語。

 たぶんそうだったんだと今思いました。

 

 あーマジでやられたね。

 今この瞬間にこのアニメに敗北したってことが分かっちゃいましたヨ。


 たぶんその日々を失ってしまった人ほど響くアニメだったんだろうなー。確かに今よりもずっと未熟だったけど、楽しかった日々があったことを思い出しました。


 製作者のことを考えないで批評していた日々とか(汗)

 クソ映画鑑賞会とかやっていた日々とか(汗)

 パッチを当てたら更にバグが増えたと騒いだ日々とか(汗)


 ……やっぱりろくでもない日々かもしれませんね。

 

 ま、今だって楽しんでますから、問題ありませんけど。

 たまに昔の日々を思い出して懐かしむのも悪いことではありません。


 もう戻れないけれど。

 それでもあの日々は、物語と共にこの胸の中にあるのですから。


 よし、BD買おう。

 小生にとっては買う価値が十分にある作品です。

 

 今それをはっきりと認めることができました。

 駄文でも書いてみるものですね(笑)


 ぽちっとな。


<ストーリー考察に続く>

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