読書記録『イルミナエ・ファイル』(ネタバレなし)
すごい。
すごいすごい。
すごいすごいすごい。
『何なんだこれ』
というのが正直な感想。
『4300円(税抜き)』する翻訳小説(仮)なんだけど、中身を見れば『なぜそんなに高いのか』というのがすぐに理解できると思う。
出来れば何の『事前知識』もなく読んで欲しいので、興味がある方はここで引き返してください。ネタバレはしませんが、小生の文章が余計な知識となる可能性は否定できません。マジですよ。
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この『イルミナエ・ファイル』という作品は基本的に『とある人物に送られたある事件の調査報告(書)』という形式。
メールなどのデーターとして残された事実を積み重ねて、『そこで何が起きたのか』ということを解明していく内容となっている。
『調査報告書』と言うと退屈に聞こえるかもしれないけれど、きちんと主役となる登場人物を中心に語られていくため、ただの『報告書』ではなく、『小説』としても成立している作品。
この小説のもっとも素晴らしい点は『文章』であること。
漫画でもなく、アニメでもなく、映画でもない。
文章を使う小説という形式を最大限に活用した作品だと思う。
なぜなら、この小説(報告書)は『多くの情報が失われている状態』だからである。読者が見ているのは実際の事件ではなく、あくまでも『残された断片』に過ぎないのだ。
彼らが何を感じていたのか?
彼女たちが何を想っていたのか?
読者には『記録として残された以上のモノ』を知ることは出来ない。
そのことがよりこの作品の完成度を高めている。いろんな意味で。
映画化するらしいけど、『命知らずだなー』と思いましたネ。映像になる時点で同じモノは作れません。何かしら別のアプローチが必要になります。
まあ、気持ちは理解できます。おそらく普通の小説形式にしたとしてもそれなりの面白さを維持できた作品だと思いますし。
小生の感想としては『超一級品のエンターテイメント作品』だと感じました
これ一冊で『ハリウッド映画(凡作)を何作も吹っ飛ばせる』ほどの面白さです。
何というか、一般小説であり、WEB小説であり、SFであり、ホラー(パニック)でもあり、青春小説でもある。物凄い密度なんだけど、それを報告書という形にしたことによって綺麗に纏まっている作品。
これを作った作者様も凄いけど、これを翻訳しようとした人々も凄い。
いやはや、久しぶりに『クレイジー』だと思う作品でしたヨ。
欠点としては『確実に読む人を選ぶ』
『一般小説』より『WEB小説』に近い作品ですので。
むしろやろうと思えばWEB小説でも近いことは出来ます。この密度を作品に込めるのは至難の業ですけど。
『若者たちの恋愛』という部分も強いので、そこを面白くないと感じる方も合わないかなーと。良くも悪くも海外小説という部分はあります。
後は当然『SF』なので、それなりに難しい言葉が出てきたり、あくまでも『報告書』なので状況を理解するのが難しい部分もあります。
ただ『SF』としてはそこまでハードな内容ではないので、SFファンからすれば物足りないと感じるかもしれませんね。精神がぶっ飛ぶようなSF作品ではありません。
これ以上はネタバレしそうなので終わり。
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ちょっと中身を見てみたい方は、『ユーチューブの早川書房公式チャンネル』に少しだけ中身が紹介されています。これを見ても全然面白さは伝わらない気がしますが、雰囲気だけは分かるかもしれません。
『バイオハザード』とか『Fallout』とかの『ファイル』や『文章』など読むのが好きな方は楽しめるかなーと思います。あんな感じの集合体です。
次は『ネタバレ』の感想を書きます。
まあ、いろいろあるので少し時間が掛かるかもしれません。
<すごーい>
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