二月のアメジストチケット
面白さの周波数
小生、たまには真面目なことを書こうと欲す。
というわけで『面白さの周波数』です。
カクヨムに関わるようになってから、小説の『面白さ』ということをちょっと考えるようになったのですが、その結論は
『最終的には自分の好みだよね』
というまったく中身が無い結論になりました(爆死)
でも、これが当たり前なのかなーとも思いました。
以前、某小説賞の賞評を読んだのですが、審査員によってまったく評価が違うんですよね。一つの作品を審査するにしても、ある審査員はべた褒めなのに、別の審査員は未熟であるという評価を下していたりと、ぜんぜん違うので驚きました。
何というか審査員ごとに『考え方』が違うと言いますか、そもそも作品の『捉え方』が違うという感じでしょうか。一つの作品を通して、プロの方々ですら意見が異なるというのは、物語の難しさを実感するような出来事でした。
プロの方々ですら統一された感想を得ることは難しいのですから、小生たちのような『読者』がよりバラバラな感想を懐くのは当たり前なのかもしれません。
つまり、『好み』ですよ奥さん。
プロの審査員は文章力とか、歴史考察とか、テーマ性とか、いろんなことを考えて評価を下しているのでしょうが、それすら同じではないのですから、もう一般読者は読み終えた後の感想が全てだと思います。
読み終えたときに何を感じたのか。
後から作品を分解して考えるより、それは重要だと確信したわけです。
まあ、稀に『自分の好みを超越して面白い作品』があったりしますが、たいていは数年に一作レベルの作品なので、ほぼ『好み』だけと言っていいでしょう。
そもそも好みじゃない作品を『一般読者』はわざわざ読みません。
面白そうと思ったり、好みっぽいと思うからこそ、お金や時間という対価を払って読むわけです。
ただ作品の内容とは別に『話題性』などの要素があり、『自分の好み』と違っていてもそちらを優先して読む場合もありますが、物語に限定するならば、これも稀な例でしょう。
ただ作品をヒットさせるためには『好み』じゃない読者にも読ませる必要があり、そういう作品は結果として悪評も集まります。つまり、超大ヒットしている作品というのは『良い評価と悪い評価の両方がある作品』の場合が多いですね。
面白くとも、面白くなくとも、売れれば同じ『売り上げ』ですので。
作品の『話題性』や『評判』にお金を支払う方もいるということです。
アニメ映画『君の名は。』で普段見に行かないであろう層からの悪評が聞こえてくるのも、この『話題性』や『評判』が理由だと思われます。
そういう意味で良い評価しかない作品は、ある意味『まだまだ』とも言えるでしょう。読者の好みをねじ伏せるほどの力があれば、話は別ですがねー。
ついでに言えば、『読者の好み』もその時期によって大きく変わります。
これは『読者の体調』とでも言うべきもので、これを把握しないで読書を始めてしまうと、物語を十分に楽しめないという結果になってしまうかもしれません。
読者は読者で、『自分が今読みたい物語』を把握し、その時期その時期に適した作品を読むことで、より楽しめるという効果があります。
作品を充分に楽しむためには、読者側にも準備が必要なのです。
面白そうな作品でも今読みたくない気分ならば、読みたくなるまで寝かせておくというのも重要なことだったりします。
つまり、『ゲームの発売日にきちんと休暇を取れる社会人』や『食事のために年単位でスケジュール管理をするグルメな方々』と同じようなものです。
最大限に楽しむためには、その環境から整える必要があるのですよー。
という贅沢なお話。
結論2
『最終的には好みだけど、その好みを管理するのも読者の仕事』
ということです。
こればかりは作者様には難しい領域でしょうねー。
読者がより楽しみたいならば、読者なりの努力をする。
これはそういうお話です。
ただ自分の好みがまだ分からない読者は、いろんな話を読んでみるしかない、というお話でもあります。それはそれで楽しい時期なので、まあ、がんがれ。
終わり。
<或いは読者の経験値>
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