ペルソナ5

 さて、今回は『ペルソナ5』の感想です。

 ネタバレは出来るだけ回避しますが、今回はいつもより保障できません。


『ペルソナ5』に関しては公式も推奨しているように、出来るだけネタバレをしていない状態でプレイすべきでしょう。


 正直な話、小生の能力ではネタバレしないで『ペルソナ5』の魅力を伝えるのは難しいかと。ので、今回は切り口をちょっと変えてみようと思います。

 

 ネタバレには気をつけますが、マジで自己責任でお願いします。

 では、『ペルソナ5』のサントラ(豪華版)を聞きながら書いていきましょう。

 ドゾウ。








『ペルソナシリーズ』最新作『ペルソナ5』。

 その製作が発表されたとき、ファンの間での期待は高かった。


 なぜなら『ペルソナシリーズ』の中でも異様に高く評価された『ペルソナ4』の続編だからである。『ペルソナ4』は格ゲーが出て、音ゲーが出て、アニメ化までした作品なのだ。その続編に対する期待は大きかった。


 だが、今になって考えれば、それは『ペルソナ4』の続編である『ペルソナ5』に対する評価だったような気がする。

 

 あくまでも『ペルソナ4』を進化(変化)させた『ペルソナ5』という作品。

 大衆に求められたのは『進化した似たような作品』だったのかもしれない。


 だが、蓋を開けれ見れば、そこに広がる世界は『ペルソナ4』とはまったく違うものであった。


『ペルソナ4』が『明るい青春』ならば、『ペルソナ5』は『灰色の青春』の物語。

 世界を廻す歯車にすらなれず、社会の生贄に捧げられた者たちの物語でもある。


 暗い暗い。

 小生、序盤から『ペルソナ4』の優しさが懐かしくなった。

 登場人物の迂闊な行動や発言にイライラしたこともあった。

 もしかすると、あまり合わないかもしれないとも感じた。

 

 しかし、全てはコインの表と裏。

 ばらばらに見えるバズルのピースは、綿密に作られた物語の鍵である。

 その完成図は、おそらく最後までプレイしなくては見えてこないだろう。

 

 なぜ、

 どうして、

 それは正しいのか。


『ペルソナ3』や『ペルソナ4』にあった分かり易い目的や達成感は無く、その代わりに多くの謎や考えるべきことがプレイヤーに提示される。


 時には主人公たちの行動や考え方の正否すら、プレイヤーが判断しなければならない。複雑で入り組んだ万華鏡のような世界の中で、おそらくプレイした人の数だけ違う答えが見出せるのではないか、と思う。


 この作品は『ペルソナ4』の続編としての『ペルソナ5』とは言えないだろう。

 なぜなら、これは『ペルソナ4の続編』という作品ではなく、『ペルソナ5』という確固たる軸を持った別の作品なのである。


 そのため、『ペルソナ4』を楽しんだプレイヤーが、『ペルソナ5』も楽しめるとは断言できない。面白くなかった、という前作プレイヤーの気持ちも理解できる。


 この暗く息苦しい世界の中で、主人公がどれだけの絆を紡ぐことができたか?

 それによって、また評価が変わる作品だと思う。


 今回はいつもより主人公の味方が少なく、『興味の無い悪意』が序盤から主人公を襲う。そのため、主人公に向けられる何気ない優しさにすら感激してしまうほどだ。

 だからこそ、そこで紡がれた確かな絆は、より大きなものになるのだろう。

 

『ペルソナ4』が高く評価された中で、賛否両論ありそうな『ペルソナ5』という作品を制作したことは、小生素直に凄いことだと思った。

 

 今までとは違う『ペルソナ』作品でありながら、これもまた『ペルソナ』であると言える作品。それが『ペルソナ5』である。


 そして、それはおそらく今までの『ペルソナシリーズ』が切り開いてきた道と同じものではないだろうか? 『ペルソナ』という作品も、その時代ごとに違う仮面を被り、常に変化していくのかもしれない。


 と、この文章を書きながら最後にそう感じるのであった。

 完。




 とまあ、こんな感じでございます。

 幾つか付け加えるなら


 そもそも『ペルソナ4』の方が『ペルソナシリーズ』として明る過ぎるので。『ペルソナ5』の方が『ペルソナシリーズ』としては本来の形に近いかもしれません。 


 個人的な感覚ですと『ペルソナ5』は『ペルソナ2』に一番近いような気がします。『ペルソナ2』の記憶もけっこう曖昧なので、あくまでも感覚的なものですが。

 

 ので、むしろ『ペルソナ』や『ペルソナ2』を楽しんだ方の方が楽しめる作品かもしれません。学園生活をエンジョイしないという状況も、『初期ペルソナ』に近いものがあるかなーと。


 仲間キャラの掘り下げに関しては『ペルソナ4』ほどではないと思います。その分、コープ(コミュ)キャラの掘り下げが凄いので、これは一長一短ですね。


 

 えーと、最終的な感想ですと、


『ペルソナ3を楽しんだ方ならば、おそらく楽しめるでしょう』


 かな?

『ペルソナ4』と同じ物を期待している方が、面白いと思うかは分かりません。

 まあ、『ペルソナ4』を楽しんだ小生が、『ペルソナ5』も楽しんだとだけ言っておきましょう。欠点も多いですが、その分魅力も多い作品かなーと思いました。


『ペルソナ4』は『出会いと別れ』

『ペルソナ5』は『孤独と絆』  


 両作品を最後までプレイした小生が感じた言葉はこれです。

 プレイヤーの数だけ違う言葉が浮かぶでしょうから、参考までにどぞう。

 おそらく『ペルソナ4』の最後に感じたものとは違うものを、『ペルソナ5』の

最後に感じるのではないかと思います。

 

 ま、良くも悪くも、かもしれませんがねー。 


 えー今回で『ペルソナ』の話は終わりっぽいですが、もう1話だけ書きます。

 次回は『ペルソナ 雑感』です。

 

 さて『ペルソナ6』の発売はいつになることやら。

 それとも、そろそろ別の展開ですかね。


<我は汝、汝は我>

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る