* * * * * *

「誰だ、お前?」

 有栖が言った。当然の反応だろう。有栖の周りの【光の部隊】が一斉に私に銃口を向ける――そして、それらは一斉に崩れ落ちる。我々の操作する、既に彼らの頭上で旋回していた照準アシスト付きの無人偵察機トライローターは照準を合わせており――その無薬莢ケースレス弾によって、【光の部隊】は一掃される。

「はは、やはり彼らは機械人形オートマタか。意外と人望は無いんだな」

も続けて私に向かって駆け出し、マチェットを振りかぶる。やれやれ、直情的な女だ。放たれた電磁波は奴の脳内機械をオーバーロード、走馬灯トラウマ幻視フラッシュバックさせ動きを停止、倒れこんだ奴を私は抱きかかえると、麻酔トランキライザを打った。

お前は誰だQui êtes- vous? ――そらAllez言ってみろparlez

私はフランス語で問うた。

「わたし……私は、誰でもないJe suis anonyme……」

そう、お前は誰でもないアノニマ。その為にトラウマ記憶を含む母語を忘れさせ、外国の言葉を。ひとは言語によって自己res cogitansを規定するし、我々は言葉や数によってその存在の時空間座標を定義し――三次元に横たわる延長res extensaとして生きている。人間は機械ではないが、魂とは肉体から疎外された現象である。(仮定された有機交流電燈のひとつの青い照明)(パブロ・ピカソの青の時代La période bleue

「何をした?」

「答える必要は無い」

ミーシャが私を狙撃しようとする。初めから彼らの頭上で追跡していた無人偵察機は正確に彼を狙撃。帽子屋は「あ?」とだけ言ってミーシャの死体を横に見る。奴のラップトップも破壊。無人機イクネウモーンも操作不能になったはずだ。私はベレッタの四五口径を抜き、イクネウモーンに銃弾を喰らわせると、安全装置をかけてショルダー・ホルスターにしまった。

「自己紹介が遅れたかな。私がコミッショナー。ジェーン・クローディア・サンダース。まぁ、こいつの育ての親――みたいなものかな。

 日向有栖はただ黙ってゆっくりと呼吸をする。こいつを何度殺しても同じことだ。それは分かっていたじゃないか。テロとの戦争は際限がない。イデオロギーや国家という共同幻想は衰退したと現代人は言うが、しかしマクロな暴力を展開できるのもまた思想や宗教、それに国家という装置や幻想だ。ロシアのクリミア併合、NATOに加盟するバルト三国への【平和維持軍】の派遣。これに対してNATO条約第五条――集団的自衛権は合衆国大統領によって発令されず、NATOの相互安全保障の幻想は事実上瓦解。代わりに、ドイツを中心とするEU軍が【安全保障】の名目でこれに派兵し、新東部戦線ネオ・オストフロントは言わば睨み合いの冷戦状態にある。……こうした大規模の動きのなかで、個人が出来ることはあまりにも少ないが、しかし結託unitéは力である。政治ネットワークとは、微力な個人の力を増幅させる機械として動作する。ジャーナリズムスパイ活動は個人化し、ヒエラルキーの無いフラットなネットワークで執り行われる相互監視社会――ブロックチェーンによる相互確証。縛る鎖が相互依存を強固にする。結局我々は生まれた地域、育った環境にその思想を上下左右され――各々の内的幸福を希求するがゆえに対立する。それぞれの歴史の再構築、緑園の実現……グローバリズムの敗北は、その擦り合わせを怠り経済による競争のみを加速させた事だ。各個人、集団、国家主体の記憶歴史書き換え修正主義失敗経験トラウマの克服……そしてそれは、既に強権たる国家が主体でなくそれに接続された各個人が自発的にを拡散し、実行するものである。(統治者にとって、これほど楽な状況はない)

「……全てはお前たちの監視下、という訳か? 全ては制御・管理され理性の下にくだる、とでも? 気に入らないな」

「はは、そういう事じゃないよ。正義感の強い人間たちが、各々の正義だの真実だのに基づいて、勝手自動に我々にとって都合の良い行動を取ってくれるというだけさ。実際お前も、今まで自分が信念に基づいて自由にやってきたと錯覚していたろう? 私たちが制御可能なのは、私たちの限られた手のひらの大きさの上でしかないのさ」

「…………」

 無人偵察機は常に世界中を空から監視している。それは光学迷彩を装備し、電子消音器付きの無薬莢弾で、銃弾以外の証拠が残らない暗殺を可能にしている。既にそういった無人機や機械による盗聴や情報収集、暗殺すら可能になっているのだから、普通なら人間を送り込む必要は無いじゃないか。何のためにわざわざ、彼女たちのような女子供を工作員スリーパーに仕立て上げてまで、こんなに手間暇のかかる事をしていると思っている? ――ああ、答える必要はないよ。お前が正解を言えるとは思わないから。一つだけ断っておくとすれば、。それは、お前たちの言い分と同じ構造かな? 『我々は聖典の言葉に基づいて』『我々は人類普遍の共通項に基づいて』『我々は弱者の人権拡大という大義イデオロギーに基づいて』行動する。といったような、ね。個性や各々の事情は特殊意志と呼ばれ、それらはそれぞれ異なった方向性を持ったベクトルVectorである。それを信号音インターネット蜜蜂ヴェクターたちが伝達し、総和たる全体意志から相殺し合う方向性宗教対立の過不足分を除き、そうしてこれらを清算リクヮデイションすると、我々の向かう意志の方向性が演繹される。これが一般意志Volonté généraleと呼ばれるものであり、ゆえに我々という複数形が向かうべき方向とは、計算可能なんである。

「問題は、統治者たる第一市民プリンケプスがその意義を理解しない事さ」

「……英雄没落論?」

「その通り。皇帝エンペラーや大統領、それに首相やら独裁者やら、まぁなんだっていいが、人が独善の為に作り出したモノは決して普遍性を持たない。しかし、そのモノ――法であるとか言葉であるとか――によって、制作者つくり手自身が自己疎外される事で、はじめて普遍性を持つ。例えば、三大宗教いわゆるキリスト・イスラム・仏教などが、発祥の地でなく外国で普及することによって、その普遍性が証明されるようにね。要は、キリストや釈迦それにアッラーが、自分たちの閉じられた共同体の為だけに法を作ったのでないと言えるようになる、ってことさ」

「……自己犠牲の美学だな」

「はは。磔にされた救世主の気持ちかな? 誰も救世主キリストの気持ちを理解できまい。受肉したイエスは肉体を持つがゆえに父なる神の持つ永遠性から弾き出され、脳内ホルモンや自己保存の欲求に抗う事が出来ず、他の人間と同じように朽ちていくのみだから。まぁ我々も、お前たちほどキリストを重要視していないがね」

「お前たち雌狐VIXENと、僕たちとは似通う部分があるようだ」

(しかしながら、私はそうは思わないがね)

日向有栖――ソメイヨシノ。そのクローン体は一般の人間の持つ肉体性の特質からは乖離している。すなわちそれは一回性を持たない――復活が可能である。奴らテロリストはいくら殺したところで際限が無い。それはビデオ・ゲームのコンティニューのように返り咲く。奴のはおそらく眠りについており――共有された夢の機能で記憶や意志、自我などを受け継がれ、前の【日向有栖】が斃れた或いは眠りに就いたとき、その意志を引き継いだまま覚醒する。記憶・体験・経験・歴史の共有――人格の再構成、思想の共有、内面の繋がりによる幸福エンタクトゲン。ふん、いわゆるプラトニック・ラブというやつだな。

「なるほどね。ところで、殿雌狐たちガール・スカウト監督官コミッショナーが、ここで何をしている?」

ふむ。遠方の端末から体内通信で私の情報を調べさせたか。なに、大したことじゃない。我々は感情の制御をより確実にする為に此処に居る。つまり、情動の数値化……計算可能性の制御下に置く事。それは例えば、帰還した退役軍人やレイプ被害者などのPTSD治療の一環として……内的経験の疑似的な管理・書き換え・制御。脳内物質や神経活動の測定により、我々はその人間の思考をほとんど正確に推測することができる。時空間には過去も未来も存在しない。過去は恥辱から生まれ、未来とは仮定から生まれる。事実ファクトは問題ではない。重要なのは感情サンチマンだ。アノニマ・プネウマは、その雛型でもある。『新日本赤軍』の子供兵士時代のトラウマの克服――記憶の制御。その名前は暗号名コードネームとなり、本當ほんたうの名前は喪われ。自分探しならぬ自己からの逃避。IDアイデンティティたる名前とはそれまでの人生と過去とに結び付けられる記述・口座・始末書アカウントであり、ゆえに匿名者アノニマは、物語・説明・責任アカウントを持たない。我々は、あたかも過去の出来事ファクトが存在するように振る舞い、未来の理想形イデアを仮定しながら現在を進行する。その普遍文法は人類に不文律であり――人間には過去があり、進むべき未来があると信仰している。それは言わば、我々を物理的・肉体的フィジカルに制御・制約する脳髄の作り出す妄想を、己が絶対者と見做す思想だ。

「それはすなわち、こそが人類レス・コギタンスの生まれた場所だから、さ」

私は人差し指と中指とでこめかみを軽く叩いてみせた。

 日向有栖――ソメイヨシノ。科学技術によって拡散する同一個体。その感情豊かな男性脳は、あたかも理性で言葉で、自身を制御出来ていると錯覚している。だが実際は異なる。人々が求めているのは。すなわち安寧、制御、管理、永遠……その短絡思考ショートカットとして、感情論や陰謀論、外敵志向ジハーディズムにオルタナ右翼――それに疑似科学や代替医療、オカルティズムなどが存在する。脳の肥大化した猿たちは、いつでも思考を停止できる。――あるいは自決。日本赤軍の無差別テロと、イスラム過激派の自殺攻撃カミカゼとは、その文脈から疎外され、個人化し――言わばひとつの解答を与えるものである。

「しかし僕にとって死は終わりではない。僕らは【今ここ】を共有することが出来ないから、ありもしない未来や理想に依って、或いは後悔や怨恨に拠って、繋がるほかないのだ。過去と未来とは即ち同義である。死を想えMemento Mori汝の主を覚えよMemento Domineその日の花を摘めCarpe diem

彼らの本質とは、自己IDを喪失している事。それが何らかの外的刺激によってアクセスされた時のみ動的に存在するように、感情もまた脳内物質によって生成され、行動は誘導され、結果として非理性的な決断を産む。自己を持たないゆえに、責任も生まれない。その場限りの行動を繰り返し、衝突し、やがて消失する。刺激を求め薬物ドラッグを摂取し続けるように、快楽としてのセックスを消費するように。他者への攻撃と排外を繰り返し、その行動だけが自己に強く結び付けられているために、いたずらに命を消費していく。それは社会を逼塞させていく――もともと閉じられた世界をすっかり閉じてしまうために、外と自己とを区別するための対外敵行為。それは、動的に存在する自己を保存するための、すなわち生存欲求だ。

「ふうん……懐かしの東ドイツ型密告社会の再来――ってワケか」

帽子屋? まだ確保されていなかったか。【状況の確認sitrep】。私のARコンタクトレンズに情報が投影される。帽子屋は電磁パルスを発動、周囲の無人偵察機トライローターを一時的に無力化。包囲網から脱け出したか。たかが取引の材料が、勝手な事をしてくれる。

ストーリーがいつまで経っても進まないぜ。要点は何だ?」

帽子屋からの無線通信は私と有栖の周波数帯に向け発信されている。その位置情報は不明だ。

「揃いも揃って、紅茶も無いのに理想や概念形而上学の話ばかりしてやがる。もっと唯物論的な話をしようじゃないか。『赤のインクキャップ』とやらについては門外漢だが、君らが同じものを求めているのはだいたい予想が付く」

日向有栖によるアルファ粒子ことヘリウム4の収集は滞りなく行われている。電磁誘導装置のブウウ――――ンンン――――ンンン…………という低い回転音が続いている。

「それはブージャム。だろ? 量子デコヒーレンスの無い超流動ブージャム状態の液体ヘリウムの二次元表面……三重水素トリチウムの娘核種。【有栖アリス】にとっては仮想通貨オルトコインの暗号鍵の言わばを意味し、そして君たち【雌狐VIXEN】にとっては、ネットワークに散逸する膨大な情報群の処理能力可能性を意味する」

推測にしてはよく出来た解答だ。ヘリウムを絶対零度近い極低温下に置く事で超流動の基底状態に落ち込ませ、電子単位レベルでのにより量子ビットを構成する。観測下にない量子のの情報量を利用する事で、従来の計算機とは比較できない高速さを実現する。これを応用し独占すれば、仮想通貨の公開鍵・暗号鍵は無意味化するし、またデータベース化された情報の符合もより高速化するだろう。言語の混沌ジャバウォックの首を刎ねる真理の言葉ヴォーパルソード……。電磁パルスの超指向性を研究・実用化した帽子屋の領域に重なることは確かだ。

「マクロたる世界を動かすのはミクロである電子や量子の世界さ。そりゃ、戦略兵器の核爆弾だって原子核アトムの話なんだぜ。プロジェクトの規模は大きくなればなるほど制御・統率できなくなる。関わる人間や要素が増えるほど、最終的な出力は遠のく。マクロな理想や世界像の話もいいが、我々を構成するひとつの細胞から組み立てていこうぜ。僕は僕の手が届く範囲における完璧主義者なもんでね」

この紳士は文字だけから出来ている。気に入らないな。これだから男は打算的・感情的で困る。

「聞いているかな? ウミガメモドキの蠅の王ベルゼブブ。僕にス・ステキなス・スープのを教えてくれるなら、二円ぽっちで技術面の協力をしてやってもいいんだぜ」

「水銀中毒のいかれ帽子屋シャプリエ・フ。Mi vidas. Finfine, vi parolas pri la mono. ――Bone tiam, 前往香港Hong Kong。我們會在那裡見你」

「Tôi đặt cược 白兔子Bái tùzǐ sẽ chào đón tôi? いいだろう――だが僕が常に問題にするのは唯物論と愛の所属Accountとの物語さ」

私の視覚に帽子屋の電子メッセージが介入してくる。【僕は潜伏する。必要ならあんたにも声をかけるさ】

そこで帽子屋の交信は途絶えた。香港――か。潜伏員スリーパーを叩き起こさなければなるまい。奴らの目的がお題目通り天皇だとすると――、日本のエコー分隊も待機させておかなければ。

「もう先の事を考えてるのか? まず目の前の状況を片付けてからにしようじゃないか。僕らは二本の脚を持ち、ごとに前進するか後退する以外に道は存在しえないのだから」

片付ける? 死体がもう一つ増えるだけだ。私はベレッタの四五口径を再び抜くと、安全装置を外した。

「中尉殿。あんたの手札は緻密に計算されているように思えて、実際のところ隙だらけの打算的行動だぜ。確かに僕らは限られた手の上の物事しか把握できないが、しかし僕らの物理的延長res extensaは【いま・ここ】を離れている思惟する実体res cogitans遠隔・越境的に存在transexistしているのさ」

離魂病。奴の精神状態は解離障害Dissociative Disorderに近いだろうか。遊底のローディングインディケータをちらと覗く。弾薬は装填されている。

「デカルト主義はもう飽きたよ。今は二十一世紀なんだ、超人間トランスヒューマンの雛型のお前(たち)も、少しは前向きな話をしてみたらどうだ?」

銃口は眼前に向けられている。『よく狙え、一人の男を殺すのだ』

「あんたは僕の機械人形をして人望が無いと表現したが、それは異なる。僕たちPlural meは僕たち以外の何物をも信用していないだけなのだ」

「あんたは僕たちの内面思考活動たるネットワーク通信を読んで盗聴しているだろう。それはプライベートの侵害。個人の藐忽びょうこつ。滅私奉公と全体主義」

影から現れるのは二人目の日向有栖だ。いや、死体を頭数に含めて、三人目か。

「僕たちは孤独で閉じられた檻の中に浮かぶ無力な合わせ鏡」

「だけど僕ら青い双子ブルー・ジェミニならば、病めるときも貧しきときも」

「死がを分かつまで」

(二人の有栖アリスは黒檀の髪を風に撫ぜらせ、すると紅い舌を互いに絡め合った。それは全く脳梁を介して互いに情報交換しているようだ)

――ああ、なるほど。共有された思考の漏洩を防ぐため、無線で広く同時に共有するのをやめて、人体通信BANによって個人距離ネットワークPANに自身の出力を狭めたわけか。便利なものだ。


■アリス東西南北トウヘンボク


 東の国のアリスちゃん

  血染め振り袖 剃刀一つ

 西の国のアリスちゃん

  暖炉のそばで鏡に埋まる

 南の国のアリスちゃん

  パイナップル投げて大使館爆破

 北の国のアリスちゃん

  雪寄せ疲れでぐうぐう眠る


 四人そろった四人のアリス

 さて始めましょと終わらないお茶会を始めて


 誰も喋らない


 * * * * * *


【システムダウン】

【制御不能】

の文字列。がスマート・コンタクトの表面に。ハルピュイアという名前の無人偵察機トライローターは堕ちて安いプラスチックの音を鳴らす。

 帽子屋だな。と私は思い当たる。二人目と接触し、奴をネットワークハブとして二人の脳内機械に即席のハッキングソフトをリモートインストール、体内通信用の電磁波を利用し我々の無人機にアクセスしたか。奴のペストマスクは――私のコンタクトレンズと同じく、視線等で操作するスマートデバイスだろう。

「いいや、ひとつは――」

残してある。奴がそう言う前に、私は後ろへ飛び退いた。直後に頭上から無音の銃弾。私はベレッタを構え直すと無人偵察機トライローターに照準を合わせ、引金を叩いた。

 空中で爆発が起きると、有栖がアノニマを抱いていた。奴はそれを肉の盾として、背後にはウラン鉱山の崖。そこから姿を現すのはUH‐1Y軍用ヘリ『怨恨ヴェノム』。

 私は照準を外した。三人はヘリに乗り込むと、ワグナーの『ワルキューレの騎行』を流しながら飛び去って行った。未来スクルドが戦死者を選定する、か? 『愛されなかった、選ばれなかった、望まれなかった子供たち』が、誰が死ぬかを決めるという事か。全く子供のままだな。


 しばらくそれを見送っていると、ルノー・シェルパを走らせフランス外人部隊の若い大尉が近付いてきて、私に声をかける。

「お怪我はありませんか」

「ああ、問題ないよ。腕がまだ痺れるくらいだ」

自分で銃を撃ったのは久しぶりだったな。拳銃がホールド・オープンしている事に今さら気付いた。歳は取りたくないものだ。私が大尉に連れられ車両に乗り込もうとすると、再び視界にメッセージが表れた。

追伸P.S.:Tôi đoán bạn đã chuẩn bị sao lưu của cô, phải không?】

ふう、と溜息を吐く。――やれやれ、私は拳銃のスライドストップを押し下げ、銃身は回転しながら遊底を閉鎖させる。

「ベトナム語の授業クラスをサボるんじゃあなかったな」

私は独り小さく呟いた。

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