第六夜
夜の海辺。
流木を叩き割れば木っ端はダイヤやコランダム。砂は地上の生物の心臓の灰だ。
見よ。
あれが待ち望んでいたストロマトライトの夢。
あれこそが我々の希望、我々の絶望。
時折聞こえる悲鳴にも似た歓声は我々のやまびこ。銃声などは気にするな、奴らの妄言だ。
生命沸く泉の底でお前らは五度死ぬ。
六度蘇り、再びコーンスープを飲めることを嬉しく思うといい。
聞くがいい。
この海辺は時折動いていく。
哲学を玩具にして歩いているのだよ。
楽しいぞ、愉しいぞ、娯しいぞ、タノシイぞ。
我々は現在石膏に身を包むゾンビだ。
歩け。
歩け
歩け……
夜の海辺。
男がただ演説をひとりしていた。
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