第4話
翌日の朝、学校に登校するため、電車に乗りながら昨日のことを思い出していた。
どうして嘘をついてしまったのだろう。後悔で暗い気持ちになった。
本当は、タイムがあがらないでいて、次の大会の選抜メンバーにも選ばれないかもしれない。そのことを私を想いやってくれている彼女達をだましたのだ。しまいには、ユイさんに代理出産のことをもちだした。それは、私がユイさんに甘えたい無意識でうっかり口にだしてしまった。本当に情けない。
学校に着き、友人とたわいのないの話をして、放課後、部活で必死に練習した。
部活動の最後に100メートル走のタイムを計ったが、記録は伸びるところかさがってしまった。
調子の良かった時は、部員とも楽しく会話をしながら、一緒に帰っていたが、今は居残りで夜になるまで練習をしている。帰宅したら疲れて、何もする気が起きなく、夕食を食べ、風呂に入り、寝る。この生活が一カ月続いている。
今日もみんなが帰る中、日が暮れるまで走る。
ひたすら走る。
日が完全に暮れて、夜になって、ようやく練習を止め帰宅する。
私は自分が何のために、走っているのか解らなくなりつつある。ただタイムを速くしたいためー結果を出さなければいけないプレッシャーで押しつぶされないためだけに走ってる。
自宅に帰り、風呂場に行く。脱衣場にある鏡に映った顔はどこか虚ろだった。
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