スプリガン

「スプリガンってあれでしょ、ゲームの……」


「漫画のだよ!」


「えぇと……確か昔映画になった……ん、だっけ?」


「なったよ。出来はまぁ色々アレだったけれども」


「馬鹿猫はこの作品が好きなん?」


「そりゃもう。一番好きな漫画だよ」


「馬鹿猫好きそうだもんなぁ」


「やっぱムー好きだからその手の話題の作品は好きなんだよね。スプリガン以上にこの手のネタをうまく活用している漫画はないでしょ」


「色んなオカルトなネタが作品には登場したよね」


「オカルトなネタを独自の解釈で漫画にしてしっかりエンターティメントになってるよ」


「オカルトマニアには作中のネタはみんなお馴染みのものだったりするんだろうね」


AMアーマード・マッスルスーツの設定も斬新だったなぁ。オリハルコンて普通はただやたら硬い金属って設定の作品が多い中で精神感応金属って斬新な設定を持って来ているし」


「AMスーツの着用で普通の30倍の筋力を得ているって設定……人工筋肉って言うのも科学的で何となく説得力はあったかな」


「世に出ていない様々な裏の古代の遺物を封印して回る妖精、スプリガン。カッコ良かったなぁ」


「世界各国の諜報員がその遺物を狙ってるんだよね」


「日本の組織も狙ってるんだぜ?」


「作中の忍術の評価も高かったけ」


「宇宙人やら古代テクノロジーやら半獣人やら気功の達人やら超能力者やらサイボーグやら霊能力者やら魔女やら好きな人は好きなネタがてんこ盛りですぜ」


「ひょっとしたら実際に世界の裏側でこんな攻防が繰り広げられているのかも?なんて思ったりするくらいのリアリティはあったかな」


「派手な爆発とかはないにしてもね……秘密裏に行われるミッション的なのはありえそう!とか思っちゃう。戦場の描写とか結構シリアスだし」


「戦闘で致命傷を負ったもう助からない同僚の懇願で主人公がとどめをさしたりするしね」


「それでいて普段は日本の学生だから学生生活をエンジョイしたりもしてるんだよね。修学旅行に行ったりとか。このギャップw」


「キャラは誰が好きだった?」


おぼろ……って言いたけどやっぱ染井芳乃そめいよしのかな。ふざけた名前だけど、性格もふざけていて好きだったw主人公の腐れ縁的なキャラなんだけど意外に戦闘力が高くて最終章では重要な役割を背負っていて美味しいキャラだし。スプリガンで一番のヒロインだよ」


「皆川作品と言えばARMSがアニメになったけどスプリガンも全エピソードアニメになってくれないかなぁ。あの映画だけで終わるの本当に勿体無い」


「またスプリガンみたいなネタの漫画誰か描かないかなぁ。あったらホイホイ読むんだけどな。それで古代文明モノブームになって欲しい。無理かw」


 そう言う訳で今回紹介するのはスプリガンです。

 原作が連載されていたのは少し昔になりますが今読んでも古さは時に感じない名作です。ええ、私がそう思っているだけですが。


 原作はたかしげ宙、作画は皆川亮二と、黄金コンビで描かれた作品です。この作品がサンデーに載った時、ついに求めていた作品が出た!って思いましたね。

 古代文明の遺産を巡る人類の悪用しようとする勢力とそれを止めようとする勢力の戦い!痺れるじゃあないですか!組織VS組織の戦いなんですよ!大掛かりでスケールが大きいんです!


 少年漫画のヒーロー的な物語って主人公が孤軍奮闘したり、味方組織があっても小さかったりが多いんですけど、スプリガンは味方組織も大きいですからね。それが結構新鮮でもありました。敵対組織も大きいから戦闘において楽勝と言う事はまずないんですけどね。最後にはその組織がおかしくなったって事で、有志が組織を抜けて孤軍奮闘で戦う羽目にもなるんですが。そう言うところもまた少年漫画的展開でいいですよね。


 描写が結構シリアスで死ぬキャラは容赦なく死ぬし、人の狂気は描写されているし中々本格的です。ヤング誌とかで連載されてもおかしくないくらいです。主人公も何度も死線をくぐり抜けますし。


 この作品で語られる古代文明の遺産のネタはオカルト好きには知られているものが多いので、その手の知識がある人はより深く楽しめると思います。勿論全てが元ネタ通りの解釈ではなく、この作品独自の解釈だったりするものも多いのですけど。


 スプリガンはこの世の怪しげたネタ全部てんこ盛りみたいな作品です。そう言う話が好きな人はどこかで見かけたなら是非読んでみてくださいね。飽きさせない事は私が保証します。

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