電脳コイル
「電脳コイル、面白かったよね」
「あんな未来が来て欲しかったよ」
「ちなみに作中の時代設定は202X年。でもその時点で電脳メガネが生まれて11年なので本当なら現実世界に電脳メガネがあるはずなんだよね」
「Google Glassがあるじゃない」
「実用化してないでしょ」
「この作品に溢れる昭和感と未来ガジェットの融合、そしてイサコの暗号式の魔法感と色んな物が渾然一体となったごった煮な世界観が好きだったなぁ」
「キラバグとかメタバグとか独自の専門用語が訳分かんないけどかっこよかったりしたねぇ」
「見た目は可愛いのに凶悪なサッチーとかね。子供が好きそうなごっこ遊びの延長線上な世界観をうまく作ったと思うよ」
「土曜の18時30分放送と放送時間帯も放課後感が溢れていたなぁ」
「この作品って、ベースはごっこ遊びの延長線上でもしっかり今風に大きな謎が仕込まれていてそっち方面でも楽しめるし、お子様レベルだけど恋愛要素もあったりして楽しませる要素盛り沢山なんだよね」
「それと何気に作画技術がすごい。解説動画見たらびっくりしたよ」
「絵柄も古過ぎず新し過ぎずだったね。今見ても古さを全然感じないし」
「OPやEDの雰囲気も良かった。プリズムは名曲です」
「新しいのに懐かしくて少し怖くて少し物悲しい。それが電脳コイルだったね」
と、言う訳で今回取り上げたのは電脳コイルでした。
少し先の未来を舞台にした子供達の冒険物語。とても面白かったです。
とにかく独自設定てんこ盛りで登場人物の年齢の視聴者は意味分からずに見ている人が多かったみたいです。それは分かる。作中で説明はされていたけど、それだけじゃ全然足りないんだよね。前知識が必要だよこの作品。
でも訳分からなくてもしっかり楽しめていた人は多かったようです。リタイヤした人も少なからずいたみたいですが。
未来の世界で未来ガジェットで遊ぶ子供達の話なのに流れる世界観は昔懐かしい昭和風味。三丁目の夕日の世界で未来アイテムで遊ぶ感じ。子供達だけの狭い世界でしか通じないルールで遊ぶ感じもうまく表現されています。
この物語には主人公が2人存在しています。1人はみんなと馴染もうとする心優しい主人公小此木優子、通称ヤサコ。もう1人は孤独を愛する勝ち気な少女天沢勇子、通称イサコ。この最初は何の接点もなさそうな2人のゆうこがやがてある一つの接点で結ばれている事が分かります。電脳コイルはこの2人の物語であったことが最後まで見ると分かります。
物語の序盤こそ子供達の子供達だけの世界観で遊ぶ愉快な話がメインなんですけど中盤からどんどんシリアスになっていっていろんな社会の裏側の事情まで子供達にのしかかってくる状況になります。
電脳コイルには電脳メガネと同じくらい重要な存在として電脳ペットの存在があります。特にヤサコの電脳ペットのデンスケが良いキャラなんですよ。電脳の存在なのに実際の生き物みたいに主人のために奔走するんです。泣けますよ。
この作品の舞台は最新の電脳設備を備えている大黒市。けれどこの街にも何か秘密が隠されていて……。街自体が普通の空間と電脳空間の二重構造になっているところが複雑で面白かったですね。
未来的なアイテムを使いこなし、企業の不正を暴きつつ、描かれるのは2人の主人公の心の交流です。悲劇を乗り越えた先に2人には友情のようなものも芽生えるのですが……。最終回の何とも言えないあの雰囲気もまた押し付けにならない自然な感じで良かったですね。
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