ヤモリちゃん
「えっ?ヤモリちゃん?」
「そ、ヤモリ。ヤモリって分かる?」
「確か夏になると窓に張り付いたりしてるアレやろ?」
「家守と書いてヤモリ。家の守り神ですよ」
「猫さんちにもヤモリ現れるんやね」
「そうだよ~。毎年夏になると目の前の部屋の窓にへばりついてくれるんだ」
「それはええねぇ」
「ヤモリちゃん、かわいいだよ。へばりついてる時はお腹が部屋の方に向いているんだけどそれがまたかわいい」
「爬虫類ってかわええよね」
「そうそう、特にヤモリのサイズってちっちゃいから余計にね。近付いて見に行っちゃうもんね」
「逃げへんの?」
「これが意外に逃げないんだなぁ」
「本人的には大きな人間に近付かれてビクビクしているんかも知れへんね」
「手のひらサイズだから恐怖は覚えているかもなぁ。怖がらせるつもりはないんだけど」
「触った事とかはあるん?」
「滅多に触らないけど何回かは」
「どんな感じやった?」
「柔らかかったよ。それ以外はあんまり覚えてないかな」
「そうなんや。ヤモリってじいっとしてるやん。アレ面白いな」
「でも観察していると突然ぱくっと蛾を食べたりね。目の前で見る野生だよ」
「そう言うん見るんもまた楽しいよね」
「今年は1回現れてそれから姿を消したんだけど、また遊びに来て欲しいなぁ」
「猫さん何かやらかしたんちゃうん?」
「実はね、その時部屋の壁を張ってたからつまんで外に出したんだけど、その時ちょっと乱暴に放り出しちゃって……」
「あかん!それあかんで!ヤモリさんにトラウマ植えつけとるわ!」
「だよね……正直、悪い事したと思ってるよ」
「ヤモリさんは家の守り神なんやから大事にせんとね!」
「はい、反省しています……」
と、言う訳で今回のテーマはヤモリちゃんです。
みなさんはヤモリちゃんを御存知ですか?夏の間、家の周りで虫を食べている爬虫類です。イモリと間違えそうですが、イモリは井守。名前の通りイモリは井戸の側(水辺の側)にいる両生類になります。
爬虫類なので苦手な人はいると思いますが、小さいですし怖くないのでそんなに嫌わないでくださいね。
ただし、小さくても爬虫類なので立派な顔つきをしています。アップで見たらちょっと怖いかもですね。
その家を守るヤモリちゃんですが、毎年私の部屋の窓に遊びに来てくれるんですよ。これがもう可愛くて可愛くてたまらないんです。我が家の夏の風物詩なんです。
あんまり可愛いんで、このコーナーでも取り上げちゃおうと、そう言う魂胆なんです。
ヤモリちゃんは何をしに私の部屋に遊びに来るかと言うと、そう、食事のためなんですね。飛んで火に入る夏の虫と言う事で、この時期はよく虫が窓の側に集まって来ます。主に蛾、ですね。それを頂きに彼らはやって来るんです。
なので窓に張り付いてるヤモリちゃんをじいっと観察していると、時折彼らの食事シーンを拝む事が出来ます。これがですねぇ、実にネイチャードラマなんですよ。作り物じゃない野生のドラマ。普段はゆっくり動いているのに、蛾を狙う瞬間パクっと食べるその時の俊敏さ。たまに捕食失敗したりするのもまたご愛嬌です。蛾だって命懸けですもんね。
ヤモリちゃんで面白いのは、部屋に張り付くのは大抵1匹なんですよ。縄張りみたいなのがあるんですかねぇ。去年何度か2匹張り付いていましたけど特別過ぎてその時はその2匹のヤモリちゃんから目が離せませんでした。
今年は1日だけ遊びに来てそれから姿を見ていません。ちょっと怖い思いもさせちゃったけど、やっぱりそれが原因なのかなぁ?このままこの夏はヤモリちゃんを全然見なかったりすると寂しいので、どうにか機嫌を直してまた遊びに来て欲しいと心から願っています。
みなさんもどこかでヤモリちゃんを見かけたら、どうか是非優しい気持ちで見守ってあげてくださいね。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます