うる星やつら

「これまた懐かしい物を……」


「いや本当に懐かしい。もはや古典ですナ」


「なんでこう古い作品ばかり取り上げるん?」


「私が古い人間だからさ……」


「さ、折角取り上げたんだしうる星やつらの話をしようか」


「私がこの作品を知ったのはアニメからでしたねぇ」


「アニメも原作もヒットはしたけどアニメで火がついたって所は大きいだろうね」


「うる星やつらの一番の特徴は何でもありなところだよね」


「エイリアンの鬼が攻めて来て色々あって鬼ごっこで決着をつけようと言う導入部から始まって、それだけならSFだけで終わるのが普通なのに宇宙人の次に妖怪が出て来て学園モノの話を進めつつ怪談めいた話があるかと思ったらお涙頂戴の展開もあって……結果、SF、学園モノ、恋愛、格闘、妖怪、幽霊、伝奇、スポーツ、冒険、格闘、歴史と様々なジャンルの話を展開させていたっけ」


「アニメの方もその原作の展開を受けて何でもありな展開だったよね。特に映画」


「ビューティフルドリーマーは今でも語り継がれる名作ですなぁ」


「分かりやすい典型的なギャグ展開からあまりにも意味不明な不条理な展開をも許容する作品の深さがありました」


「どんな流れになってもあのメンツならなんとかしちゃえるんですよね」


「それだけキャラが濃かったって事ですねぇ」


「るーみっくわーるどを象徴する何でも受け入れて動じないキャラ造形。みんな一筋縄じゃいかないって言うね」


「アニメじゃメガネ軍団が大活躍だけど原作はそうでもないんだよね」


「逆に原作では結構活躍する白井コースケがアニメでは殆ど出なかったりね」


「この作品の一番の魅力はラムちゃんですね。普段着が虎柄ビキニというのは今でも斬新だと思います」


「鬼がモチーフだからなんでしょうけど空を飛んで電撃を落とすと言うのもキャラが濃いですな。後、可愛い角があって梅干しで酔っ払うところも独自の口調も」


「アニメ放送時の頃のヲタはみんなうる星やつらの洗礼を受けていると言っても過言ではありません」


「実際、魅力的なキャラが本当に多いですよね。金持ちキャラの面堂終太郎にしのぶ、サクラ、ランなどの女子キャラ、海が好きーの藤波親子にコタツネコに錯乱坊……ああもう書ききれない!」


「名台詞も多かったなぁ「くらいよせまいよこわいよー!」とか「海が好きー!」とか」


「アニメも本当に面白かったなぁ。どのキャラもはまり役でね」


「この話を書くためにwikiを辿ったら懐かしくてつい読みふけってしまったよ」


「うる星やつらには青春のすべてが詰まっていました」(遠い目)


 そんな訳で今回取り上げるのはうる星やつらです。名作中の名作ですね。

 同作者のめぞん一刻と違いこちらの作品はサザエさん時空。主人公たちは永遠の高校二年生を演じています。だがそれがいい。


 この作品は本当に何でもありなんですよ。SFであり学園モノであり……ってこの件は会話文に書いたからいいか。少年漫画で取り上げるテーマでうる星やつらが取り上げていないジャンルはないんじゃないかな?って思うくらいです。


 登場人物が全て魅力的なのもいいですよね。連載が長かったからむちゃくちゃ数が多いんですけどそのどれもが魅力的でキャラが立っていて。一人ひとりについて語っていたらページがすごく長くなっちゃいます。


 原作の人気もそうですが、アニメもまた爆発的人気を誇ってましたよね。実験的な作画を試したり実験的な作風を試したりと話によって色々挑戦的な制作をしていましたっけ。安全牌に逃げずにそう言う事をしてしまえるのは原作の世界観が何よりも自由でどんな事をしても成立してしまえる程懐が深いからなのでしょう。


 アニメうる星やつらでもうひとつ印象に残っているのはOPEDのバリエーションの豊富さです。放送当初は有名なラムのラブソングが長くOPを飾っていましたけど、その後どんどんOPEDが制作されるようになり、短いのではその寿命が2ヶ月位のもあった気がします。楽しいのからカッコいいのまでうる星やつらの曲はバリエーションに富んでいました。それに付随するアニメもいい出来なんですよね。スタッフの愛ですねぇ。


 映画も5作、放送が終わった後のOVAも何作も作られていて、それを見てもどれだけ人気だったかが分かります。放送当時のアニヲタはみんなうる星やつらの洗礼を受けていたんじゃないかな。私もご多分に漏れていませんです、ええ。


 今読んでも全く色褪せていないので知らない人にもオススメ出来る作品です。と、同時に古い作品なので時代を感じたりもしますけど。まぁそれは仕方ないですね。

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