めぞん一刻

「今回はめぞん一刻……また懐かしいところを」


「もはや恋愛漫画の古典と化している部分がありますね」


「恋愛と言っても主人公の浪人時代から始まって社会人に至る時間の流れなのでちょいリアル系の話になりますねぇ」


「少女漫画の恋愛系とは違うよね」


「スピリッツ初期の名作ですぞ」


「話に聞く所によるとこの作品が人気過ぎて刊行ペースが早まったとか」


「確か隔週発行雑誌だったのが毎週発売になったのはめぞん一刻の功績と言う噂があるらしいね」


「この作品は同作者のうる星やつらと違って時間がちゃんと過ぎていく系でその時代と共にキャラの立ち位置が微妙に変わっていくのが良かったな」


「管理人とアパートの住人の関係だった五代と響子さんが最後に幸せな結婚をして子供が産まれるまでの物語なんだよね」


「一刻館の住人も五代を取り巻く人々も響子さんの関係者もみんな一筋縄では行かなくて」


「基本的にはギャグで話が進んでいくんだけど決める所はバッチリ決めて」


「最後はハッピーエンドと言う幸せな話でした」


「キャラは誰が好きだった?」


「やっぱ四谷さんかなぁ?ああ言う大人になりたかった」


「彼は最初から謎だったなー。アニメの千葉繁の声も良かったよね」


「アニメの声優はみんなピッタリはまっていたね」


「キャラで言えばこずえちゃんが可哀想だったよね。あんなに好き好き光線出していたのに」


「現実だったら多分一線を越えていた気がするよね」


「読者層を大人に設定した割にドロドロな展開はなかったもんね」


「ドロドロになりかける雰囲気はたまに出していたけどね」


「悪人がいないんだもん。ライバルの三鷹も卑怯な事はしなかったし」


「優しい世界やね」


「安心して楽しめるからこそ大人の童話として名作として語り継がれるのかもね」


「大人の世界だって必ずドロドロになる訳でもないしね」


 そんな訳で今回取り上げるのはめぞん一刻です。

 高校時代に何故かクラスでめぞん一刻ブームが起こって(多分アニメ放送をしていたから)クラスの暴れん坊が五代さん五代さん言ってるのが面白かった。そいつ、人の名前にさん付けする奴じゃなかったのに。


 そんなリアルな思い出はいいとして、この作品は名作ですよね。作品を読み進めながらキャラに襲いかかる様々なイベントに一喜一憂しながら読んでました。


 若い人はめぞん一刻と言っても知らない人も多いのではないでしょうか。時代もバブルの頃ですからね。だから今読むと時代のギャップも感じる事でしょう。作中では携帯電話もないですからね。ポケベルは出て来ますが。


 会話文で説明した通りめぞん一刻は恋愛漫画です。学園生活を中心とした恋愛漫画と違って主人公が浪人の頃から始まり大学を卒業して就職してヒロインの響子さんと結婚して子供が産まれるまでの話となります。よりリアルなんですね。


 基本的にギャグ漫画なので笑える展開が続きます。なので肩の力を抜いて楽しく読めるんですね。周りの登場人物が強烈な個性を持っていてイベントがいつも素直に進みません。特に同アパートの住人の四谷さんの存在感は一際輝いています。普段何をしているのか謎の存在で物語をかき回す名バイプレイヤーなんですね。


 勿論物語はギャグばかりではなく、シリアスな展開も含まれていて響子さんは不幸な過去を背負っているんですが最後の五代はそれを全て受け入れて背負っていく覚悟をするんです。物語がそのクライマックスに行くには紆余曲折あるのですが。余りネタバレしたくないので是非原作に触れて欲しいですね。


 原作も名作ですがアニメの出来も悪くはなかったです。声優さんの声もキャラにピッタリ当てはまっていましたし。欲を言えば省略されたエピソードが残念だったかなと。ファンとしては原作エピソードを全てアニメ化して欲しいと願うものですから……。中には倫理的に厳しいシーンもありますけど(汗)。

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