クジラの跳躍
「今回はクジラの跳躍ですか」
「銀河の魚を紹介したからね。その流れだね」
「じゃあファンタスマゴリアも紹介するの?」
「いや、あれはちょっと合わなかった」
「そか……」(困り顔)
「クジラの跳躍はあのガラスの水面の表現が幻想的で良いよね!」
「お、おう……」
「当時はやたらその表現に時間がかかったらしいけど今だと簡単に出来るのかなぁ?」
「どうなんだろうね?今でも難しいんじゃないかな?」
「話的には本当に特に何も起こらないんだよね」
「あらすじを説明すると一行で説明出来ちゃうもんね」
「話の起伏も特にないしつまらなく感じる人もいるだろうな」
「でも雰囲気を味わおうと思うと結構楽しめるんだよね」
「この作品を楽しめる人は結構大人なのかも」
「たむらワールドの一部を濃く楽しめる作品だよね」
「お約束のビル人間も出てくるし」
「手使海ユトロの音楽も全作品に合ってるよね」
「たむら作品はこの人の音楽がないとね」
「一番のクライマックスは跳躍するクジラの周りをカメラがグルグル回るところなんだけどただそれだけなのにすごく感動するんだよね」
「童話的世界観だけどこれ最後までお子様は見てくれるかなぁ」
「これを楽しんで見る子供はきっと感性が完成されているよね」
「うまい!」
「世界観の完成度は本当に高いです。優しい物語で時間も短いから癒やしを求めている人にはいいと思います」
「購入しようと思うと収録時間の割にお高いから余裕のない人はレンタルがいいのかな」
「この作品も銀河の魚と同じくDVDしか出てないんだよね……是非ともブルーレイの高画質で見たいものです」
「作品が出るのが早過ぎたのかもね。残念……」
そんな訳で今回取り上げるのはクジラの跳躍です。
前に取り上げた銀河の魚と同じく原作はたむらしげる作品です。
たむらしげる作品のアニメは3作品パッケージがされていてあとひとつはa piece of PHANTASMAGORIAと言う一話5分程度のオムニバス作品があります。私はこの作品も持ってはいるんですけど、見ているといつも眠気との戦いになってしまって余り見る事はなかったりします。残念……(汗)。
話をクジラの跳躍に戻しますけどこの作品はただクジラが跳躍するのを見物するだけの本当に何でもないお話です。勿論単純にそれだけじゃなくて見物する人の人間模様が描かれていたり海がガラスで出来ているので水しぶきが美しいガラス球で見ているだけで美しかったり…ちょっとした見どころが沢山用意されています。
主人公のおじいさんのちょっとした謎が最後に明かされると言うそう言う仕掛けもありますが私がこの作品で好きなのは空から落ちてきた星のシーンです。
そのシーンを見ていると不思議な世界、ファンタスマゴリアのファンタジーを一緒に体験するような気持ちになります。
ファンタジー部分は説明不足の部分が多いですけど逆にそこを脳内補完するのが楽しい作品です。だから作品世界を詳しく知る人から見たら間違って解釈しているところも多いかも知れません。
音楽はやはりたむら作品にはこの人!の手使海ユトロ。この作品でも素晴らしい音楽を提供していて作品世界を静かに優しく支えています。彼の曲を聴くだけでもこの作品を見る価値があると思います。
たむら作品を見ると本当のファンタジーとはこう言うものなんだって言う感じがするんです。ファンタジー=中世RPGの世界って固定概念の人は是非見て欲しいですね。本物の幻想ってやつがそこにはあります。刺激を受けると思いますよ。ただ、この世界観を創作に活かせるかどうかは別の話ですが。アクションには不向きな世界観ですしね。
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