マイマイ新子と千年の魔法

「今回のテーマはアニメ映画っすね」


「おっ、知っとった?」


「いつも知らない体で会話を始めるのもワンパターンかと思って」


「ぎゃふん」


「この映画って評価は高いんだよね」


「いや実際面白いし」


「名作劇場みたいな感じで楽しめるとか」


「そうだよ」


「でも知名度が低いみたいだね」


「伝説のあの作品と化してるからねぇ~」


「こう言う作品こそ金ローで流すべきなんだよ」


「物語はどんな感じだっけ?」


「戦後間もない時代、山口県で主人公の新子が大らかに暮らしていてそこに転校生がやって来るのね。それでまぁ戦後らしい色んな出来事があってみんなと仲良くなる話」


「千年の魔法って?」


「物語の舞台となる土地が古い土地で土地の歴史を遡れば千年前に通じてるんだよ。そこで千年前の出来事と平行して物語が進んでいくんだ」


「ほうほう」


「この映画の主人公の新子は妄想癖がすごくていつも何かしら想像していてその想像の表現がすごく上手いんだ」


「ほうほう」


「キャラクターデザインも味があってみんな優しそうでいいんだよね」


「ほのぼのとした話が続くの?」


「いやそれがねぇ、やっぱ戦後の話だけあってかなり緊迫感のあるシーンも有るんだわ」


「ほーん」


「まじめに聞いてる?」


「き、聞いてる聞いてる!」


「見た人はみんな高評価なのだから後は宣伝がね……ファミリー層にもっと名前が広がれば良かったのにって思うよ」


「自然描写も素晴らしいしね。GWで暇を持て余してしまったらレンタルとかでいいから見て欲しいな」


 と、言う訳で今回取り上げるのは「マイマイ新子と千年の魔法」です。

 この作品は知る人ぞ知る名作です。


 ちなみに私は劇場で観ましたけどリバイバル上映で、でした。なのでパンフレットはもう売ってなかったけど1000円で観られたのは良かったかな。


 物語的には大らかな主人公と東京から引っ越してきた転校生とのほのぼのふれあいストーリーなんだけど戦後の子供達の生活のアニメと言うと「となりのトトロ」よりもっと大人の世界がリアルに描写されているんですよね。伝えたいテーマが違うから仕方ないですけど。


 ファンタジーな表現は多いんですけどリアルに物語が進むので大人の人に受けがいいかも。戦後独自のあのやましい感じと言うか力任せな感じが子供の世界と同居しているんです。時代をリアルに感じるんですよね。


 今は動画で特集されたMAGネットの放送が見られるからここで文字を尽くして説明するよりそっちを見た方がいいかも。こう言う特集が組まれるほどには注目されたんですよ。


 戦後時代のリアルと千年前の幻想と子供の世界と大人の世界が同時進行で進むある種複雑な展開なんですけど基本的には子供の視点から見たその時代の物語。

 物語は最後に意外な展開を迎えます。私はこう言う展開は初めて見ました。ネタバレになるから言えませんけど多分初めて見た人はびっくりするんじゃないかな。


 この映画のEDがコトリンゴの「こどものせかい」なのですけどこの曲がまた映画のすごくぴったりなんですよ。私はこの作品で彼女を知ったのですけどいい出会いでした。


 ネットでの署名運動など口コミで人気が再燃して一応の評価は得た作品ですけど知名度はそれでも低いと思います。まだ見た事ない人はレンタルで目にした時でいいからその時には検討はして欲しいかなって思います。DVD購入はちょっとお高いですからね。

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