7 紫外線/虚空

紫外線/虚空


 土から戦車が沸いてくる

 生物のいない星で殺された機械知性のために

 創造はある


 空から便りが降ってくる

 神が溢れた庭で生かされた蝋人形の許に

 救済はある


 非破壊のために戦車はあり 戦車はそのためにしか存在しない

 非放置のために頼りはあり 頼りはそのためになお非在化する


 理由など何処にもない

 理由は安寧のために求められる

 答えなど幾らもある

 答えは必要のために選択され


 戦車が沸いてくるためには まず憎しみがあって

 会話が閉ざされる

 便りが振ってくるためには まず投函があって

 相手が愛される


 けれどもぼくのまわりには投函がなく

 けれどもキミのまわりには憎しみがある


 時が経って 戦車も便りも時空の中の屍となって

 次に生まれてくる生命体/非生命体に認識されるまで静かに眠る

 その完全等方時空の水銀のような眠りを妨げるモノは今はいない

 その完全等方時空の内臓のような眠りを妨げるモノが明日に光る

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