竜と姫

@tomokazu

第1話

 ラフアニス王国に18歳の若き姫君がいる。黒髪を腰辺りまでたらし、透き通るような白い肌の持ち主である。

 だが反面、城でおとなしく着飾ることを好まないおてんば娘でもある。

 ある日、父である国王ルルドフはこうぼやいたものである。

「結婚しているというのに、相変わらず剣術の稽古や狩りばかりしおって。少しは女らしくすればいいのに。」

 今日もまた、彼女は魔物退治に勝手についていくのであった。

 それを見た兵士が言う。

「いい加減退治に混ざるなどというのはやめていただけませんか。お子を宿しているのに無茶をしていては陛下や婿様が心配しますよ」

「そう堅いこといいなさんな」

アレサはお構いなしといった様子である。

 道を行くこと約一時間、彼女たち一行は背の高い木々の生い茂る森にたどり着いた。

 アレサと兵士達が狩りの準備に取り掛かっていると、周りでガサガサと音が聞こえてくる。

 やがて小鬼ゴブリンの群れが姿を現し、彼女らに迫ってくる。

 小鬼と討伐する彼らが対峙するや、ぶつかり合いが始まった。

 アレサと兵士達は、小鬼とかちあうたびに一匹、また一匹と剣を振るい、斬り倒していった。

 その時である。

 

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