第12話

 「僕は物知りヘリウムをなんとかして応援してあげたくなった。」


 「そうだね。でももう物知りヘリウムがどこにいるか分らないし、これから出会えるかもわからないからなあ。まてよ、そうだ。」


 炭は何かを思いつきました。


 「新しくできる星に彼の名前をつけよう。『ヘリウムの星』という意味をもたせよう。それを広めればいつか物知りヘリウムの耳に届いて、彼を喜ばせられるに違いない。」


 「いい考えだよ。」


 すぐさま鉄は賛成し、しばらく考えたあとこう提案しました。


 「『ヘリオス』はどうだろう。」


 「ヘリオスか、いい名前だ。」


 「新しい星、ヘリオス。」


 二人は将来に生まれるはずの星の名前を何度も口にし、口にするたびに彼らの気分は高揚しました。

 まだ見ぬ星、ヘリオスがいつかこの宇宙を照らすことになる、そう思うととても楽しい気分になるのでした。


 こつん...


 その時、二つの塵はぶつかりました。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る