とにかく面白い。ぜひ、全ての人に読んでほしいと願う作品。
この作品を読んで私は感銘を受けた。まさに、「美しい」小説だ――。
キャラクター、主人公の一人漫才がこの物語の笑いの根幹となっているわけだが、そんな主人公は気弱ではなく、かといって才能があるわけでもなく、普通に悩んで悩んで悩みぬいてしっかりと成し遂げる。その性格には素直に「憧れ」を感じるものだ。無論、周囲のキャラクター達が与える影響も大きい。重要キャラクターが多い中、それぞれに異なった個性を与え、そしてそれを調合する。どの人物も、主人公との絡みは注目すべきシーンであり、いや、物語り全て注目すべきシーンである。余計に感じるはずの長い放送さえ、彼女らの性格が強く現れていて愛すべきシーンである。
ストーリー、突如始まる展開ではあるが徐々に明かされていく過去の伏線も丁寧に張られていて、そして面白くて、読者の心を離さなくて、――。それに、シリアスシーンとコメディーシーンとが織り成す物語は美しく、はかなく、続きを読みたいというキモチを沸きたて、それでも読後感は爽快である。
ああ、ぜひとも。願わくば全ての人に読んでほしい。