第3話 コネルの真価

蜘蛛が去った後、俺は『こねる』の実験をしていた。・・・・・・いや、やれることがそれしかないからさ。ちなみに今自分は自分が入れるぐらいの小さな横穴に入っています。とりあえず安全かもしれない。いや安全だ!!


 コネコネコネコネグニグニグニグニ・・・・・・おし完成。こね始めてからなんだかんだで結構たつ。いや~なんかこねるのが楽しいんだよな。もしかして俺陶芸家の素質が!・・・・・・まあ、そんなことで目の前には粘土がいっぱいある。さてこの粘土何か効果があるのだろうか?・・・・・・『鑑定』!!



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  『魔粘土まねんど(大)』


 野生のミニチュアゴーレムが作った粘土。大地の魔力を取り入れながら作っているので不思議な効果が現れる。人間には作ることは不可能。ゴーレム種にしか作ることが出来ないのでその価値は高い。ゴーレム製粘土で出来た磁器は高級品。また畑の肥料としても使われている。ゴーレムはその粘土を体にくっつけ防御力を上げている。そのため冒険者たちはその土を目当てとしてゴーレムを狙う。冒険者に乱獲され以前ゴーレムが絶滅しかけた。



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 お、おう思ったよりいっぱい出た。へえ~この粘土そんな効果があったんだ~。てか絶滅しかけたって!!何処の世界でも人間は強欲なんだな。嫌だ嫌だ。あと俺、野生なんだ。う~んだとしたらテイマーとかいんのかな?だったら俺も飼ってもらいたい。飯の心配なくなるだろうし。


 ・・・・・・ハ!?飯!そうだよ飯だよ!!俺ってゴーレムだけど何を食えばいい?ってか何が食えるんだ?もしかして土か!?土なのか!?・・・・・・まあ、今考えても何も変わらない、また後ででいいか。


 で、この粘土なんだけど、結構凄いみたいだな。ありがたいことに使い方も書いてある。え~となになに体に貼り付けて防御力を上げている?・・・やってみるか。



 ・・・あれ?どうすればいいんだ?腕の土をはがす?はがすのか?・・・でも取れないよ?う~ん。


 『剥離しますか?』


 ・・・・・・アリガトウゴザイマス。


 『剥離中・・・・・・』


 おお!?体が崩れはじめた!見た目はえぐいけど、痛みが無いのは幸いだな。


 『完了』


 どうやら剥離が終わったようだ本当にこの声は何だろうね?あと衝撃の事実、自分の本体は球でした。うん、何を言っているか分からないと思う。俺もわけわかんねえもん、逆に分かる人がいたら変わって欲しい。


 黄色っぽい白色の光を放つ球体が地面から30cm程の高さに浮いている。・・・『ステータス確認』


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 種族  『ミニチュアゴーレム(核コアのみ)』


 属性  『 無 』


 名前  『 なし 』


 LV 1/10

 HP 10/10

 MP  5/5

 力 5

 防 0 (100→0)

 速 10(2→10)

 技 5

 運 10

魔力 5

精神 5

魅力  ・・・・マズフクヲキロヘンタイガ!!


固有スキル

・・・・無し


通常スキル


 『ステータス閲覧』

 『鑑定』

 『こねる』



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 ・・・・・・ヤバイヤバイヤバイ!!何がやばいって!?防御力が0って事はもちろんだけど、それ以前にあの土って服だったんだ!俺、今素っ裸なんだよ!!露出狂なんかになりたくないよ!!前世では普通に生きていたはず!!とりあえず土!土!


 『接着しますか?』


 うん!!早くして!!


 『素材を選んでください


 ① ただの土とただの石・・・効果 無し


 ② 魔粘土とただの土とただの石・・・効果 防御力up 精神up


 ③ 魔粘土オンリー・・・効果  力up 防御力up 速up 精神up  』




 メンドクセエ!?え~と、とりあえず一番効果がよさそうな③で!!



 『・・・・素材が足りません。・・・『魔粘土(小)』が必要です。『魔粘土(小)』は『こねる』1回分です。』


  氏ね!!!いや、おちつけ俺!!天の声(仮)は何も悪くない。何も悪くないんだ!!天の声(仮)は俺に必要なものを教えてくれたじゃないか!!悪気はないんだ!!・・・・・・だから余計むかついてしまうんだがな!!


 え~と、どうせなら強いほうがいいから魔粘土は作る気だ。けど今の状態で出来るのだろうか?とりあえず『こねる』!


 俺の体はさっきまで纏っていた、ただの土の上に移動する。そしてコアを打ちつけコネ始めた。それはもうバスケでドリブルするみたいに激しく。ビタン!ビタン!それはもうピザ打ちでもするように激しく。ビダン!ビタン!という音が洞窟に広がる・・・・・・て、アホか!!イタイタイ!!絶対ダメージ受けてるよ!!やばいって!!コアにひびいってるじゃん!?イヤアアアアアアアアア!!!!!


 ・・・・・ハアハアハアハアハア。


 『魔粘土(小)の獲得を確認。接着します』


 あ、はい。


 そこらに散らばっていた魔粘土は宙に浮かび上がりコア(俺)の周りに集まる。そしてぐるぐる回り始め。次々と部位が作られていく。・・・・胴体、腕、足、頭。それらが一つになり1体の人形が出来上がった!!


 ・・・・スゲエ!!?なんか変身みたい!かっけえ!!・・・柄にも無くはしゃいでしまった。まあいいか誰も見ていないし。


 え~と姿はあんまり変わっていないみたいです、なんか石が無くなって体が軽い気がする。


 『ステータス』!!


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種族  『ミニチュアゴーレム』-素材 『魔粘土100%』


 属性  『 無 』


 名前  『 なし 』


 LV 1/10

 HP 1/10

 MP  5/5

 力   40(5→40)

 防   150(0→150)

 速   30 (10→30)

 技   5

 運  10

魔力   5

精神   20 (5→20)

魅力  ・・・・マゴニモイショウトハヨクイッタモノダナ(笑)


固有スキル

・・・・無し


通常スキル


 『ステータス閲覧』

 『鑑定』

 『こねる』



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 死にかけじゃねえか!!!アホか!!もう二度とこんな事しねえからな!!


 あと魅力!!おい魅力!!!お前は何様なんですか!!さっきからひどいよね!?コノヤロー!!!ってすげえ!?防御力50も上がってる!!速は30!!蜘蛛と一緒じゃん!!やったあ!!これで逃げれるぞ!!



 そんなこんなで一喜一憂していた俺だが、そのとき気づいていなかったゴーレムの天敵と呼ばれるある魔物が迫っていることを・・・・・・

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