二十話 図書室で出会いがあったようです
「パチン!」
という音とともに俺の左頬に激痛が走る
「痛っ!」
思わず声を出してしまう
「あっ…ごめん…」
女の子は申し訳なさそうに話す
ここで俺は女の子に覆い被さるように倒れていると
始めて認識する
「あっ!すいません!」
俺は勢いよく立ち上がり
慌てて数歩さがる
「えっとその…出て行きますね」
俺は女の子に背を向けて歩き出す
すると
「ちょっとまって」
そう言われて振り返る
「あの…こっちは見ないで欲しいんだけど…」
「す、すいません!」
俺は慌てて背を向ける
「ちょっとまってて」
そう言われて俺は女の子に背を向けたまま
気をつけの様な姿勢で待つ
1分ぐらいたっただろうか?
「もうこっち向いていいよ」
俺はその言葉を聞いて女の子の方に振り返る
女の子は学生服に着替えていた
同い年くらいだろうか…
髪は薄い水色でセミロングといったところか
身長は小さく俺を見上げている
「あの!すいませんでした!」
俺は頭を下げる
「気にしてないよ…あっ叩いたところ
痛くなかった?」
「いえ!全然…あの…」
「なに?」
「なぜ俺を引き止めたんですか?」
俺は目の前の女の子に尋ねる
「まず一つ目あなたがこの部屋に入れたから」
「えっ?入るって…誰でも入れるんじゃ?」
「実は私の魔法でこの部屋に入ったら
私が解除するまで異次元に隔離する魔法を
扉に仕掛けてたの」
「えっ?じゃあ…」
「そうよ…あなたは私の魔法にかからなかった、
それが一つ目ね」
「二つ目は?」
俺は疑問をぶつける
「二つ目は別にただの頼み事なんだけど…
あなたのパーティに入れてくれない?」
「えっ…パーティ?なんですか?パーティって…」
なんだパーティって…確かルミリアが
絡まれてた時になんか言ってた気もするが…
「あなたパーティの事知らないの?」
「すいません」
女の子はパーティについて教えてくれた
簡単に説明すると…
まずこの学校では[パーティ制度]
というものがあり
5人以上で登録することができ
主にダンジョンに潜る時に
使われている制度らしい…
ダンジョンとは
モンスターが溢れ出てくる場所で
冒険者などがモンスターを倒し魔石を
売ったりして生活している
構造は階層毎に分かれており
浅いとモンスターは弱く
深くなるほど強くなるといった感じだそうだ
「でも、なぜ俺のパーティにはいりたいと?」
すると
「もちろん私の魔法が効かなかった事もあるけど…」
「他に理由が?」
「いや…それはその…」
口元をゴニョゴニョさせている
「とりあえず!私あなたのパーティに入るから!」
「ちなみに拒否する事って…」
すると笑みを浮かべながら
「えぇあなたが決めていい…でも
断ったら私の裸見た事を言いふらすから」
俺は諦める
そんな事されたらこの学校で生きていける
自信をなくすどころか、
引き篭もりになりそうだ
「ちなみにどうやってパーティに入るんですか?」
「先生に言うだけでいいよ」
「じゃあいきましょうえっと…その」
「私の事はアイリスでいい」
「じゃアイリス…行こうか」
そう言って俺はパーティ申請をするべく
アイリスの手を引いて
図書室を後にした
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