十八話 貴族様は雑魚キャラだったそうです

「そういえばランキング最下位でも

大丈夫なんですかね?」

生徒会室に帰る途中俺は会長に質問する


「ああランキングなんてハルバート君が本気出せば

一瞬よ一瞬!」

会長は半笑いで答える


「ランキングってどうやって上げるんですか?」


「ランキングは自分より上位のランキングの

者に勝利したら勝手に上がるのよ

もちろん罠や不意打ちなどは含まれないし

罰則もあるから気をつけなさいよ」


そこで俺はルミリアを助けた時の事を

思い出す


「あの…」


「なに?ハルバート君?」


「生徒会に来る前にルミリアを守るために

1人コテンパンにした男の子が

いるんですけど…その」

そう言うと会長が俺の言葉を遮る


「じゃあランキング上がってるかもね」


「その…コテンパンにした男の子なんです

けど…もしかしたらランキング2位の子

かもしれないんですけど」


「それは良かったじゃないこれで誰も

文句を…ってえぇ⁉︎ランキング2位?

それは確かなの?」


「周りの人たちが話してただけで確信は

ないんですが…」


すると「ドタドタッ」という音と共に

先生がやってきた


「やっとみつけた!ハルバート君!」

どうやら俺に用があるようだ


「えっと俺何かしましたか?」


「なんかじゃないわよ!あなたランキング

2位の子を…とりあえず来て!」

すると話を聞いていた生徒会長が


「一応私も同行しましょう」

先生は生徒会長の顔を見ると


「えぇそうねあなたは一応この学校の顔ですものね」


「私のせいでセラフィが…私も行きます!」

ルミリアが声をはりあげる


「では、皆さんついてきてください!」

そう言われて俺、生徒会長、ルミリアは

先生についていった








先生についていくとそこは医療室だった

そこにはさっき生徒会室にくるまえ

フルボッコにした貴族の男の子と父親らしき人がいた


「連れてまいりました」

先生がそう言うと父親らしき人がこちらに歩いてくる


「貴様か俺様の息子に傷を負わせた挙句

大衆の面前で恥をかかせた奴は!」

怒りをあらわにして俺に怒鳴る


「えぇ俺がやりましたが?」

俺はあえて煽るように言う


「貴様この俺様を誰だと思っている⁉︎」


「貴族様でしょうか?」


すると俺の後ろに立っていた

ルミリアを見て何かを思い付いたように言う


「おい!後ろの!貴様がルミリアとやらか⁉︎」


「そうですが…」

ルミリアは縮こまりながら答える


「そうか…おい貴様!」

そう言って前に立っている俺に目線を落とす


「セルリアスと言ったか…あいつを

差し出せば息子の権と俺様に対しての

生意気な口を聞いたことを許してやろう!

俺様は寛大だからな、さぁ差し出せ!」


はぁ?

こいつ頭わいてんのか?

思いっきりアニメとか漫画に出てくる

テンプレ貴族様じゃねぇか!

なに?この世界の貴族様は全員頭が

沸いてんのか?おぉん?


もちろんそんなことを俺が許すはずもなく


「あぁ?誰がお前らみたいな頭にうじが沸いてる

奴らにルミリアを渡さなきゃいけないんだ?」


すると顔を真っ赤にして


「決闘だ貴様!蹴散らしてやる!」


はい頂きました!このために俺はあえて

煽っていたんだから


すると先生が止めに入る


「ハルバート君!謝りなさい!」


だが貴族の父親は止まらない


「貴様!来い!」


その時俺は思った

おっ!バカ息子とは違って魔法をいきなり

撃ったりしないんだな!感心感心


てか

この学校…演習場やら試合場やら

むっちゃあるな…異世界の学校ってすげぇ!


そんなことを考えながら俺とバカ貴族は

演習場について向かい合う


ちなみに先生が心配していたが

ルミリアと生徒会長が止めたらしい

そして俺の戦いっていうか…今から始まるのは

一方的なものだが…

ルミリアと生徒会長も見に来たようだ


演習場に着くや否やすぐに

魔法を連射してきた

【鑑定】によると全て上級魔法

おぉ〜口だけではないらしい

これは楽しめそうだ

俺は連射された魔法をヒョイっと避ける


すると頭の中で相棒が声をかけてくる


「おい、お前さん楽しそうなこと

してんじゃねぇか!俺に変われ!」


「別にいいけど殺すなよ?」


すると相棒は嬉しそうな声で

「半殺しは?」


「大いに結構!死なない程度に蹴散らせ!」


その言葉の後に俺の体は光に包まれ

髪と目の色が真っ赤に染まる


「ふんっ!」

バカ貴族は少々びっくりしていたが

すぐに連射型の上級魔法を撃ってくる


変身途中なのでもちろん命中する

すると勝った気になったのだろう

おめでたい奴だ

笑いながらバカ貴族は言う


「はっはっはただの雑魚だったな

これなら息子でも勝てそうだ!」


「イテェよ」

相棒の声が鳴り響く

いや鱗展開してたからダメージないだろ?


そう相棒に語りかけると


「演出だよ演出!その方が面白いだろ?」


「ちげぇねぇ」

俺との会話が終わり相棒は勝ち誇っている

バカの後ろに一瞬で移動すると


足を蹴り地面にバカを転ばせる


「ウェェイ!もっとやれー」

俺は1人相棒に歓喜の言葉を飛ばす


「重力魔法…ヘイブル!」

相棒がそう唱えるとバカの倒れた地面だけが

10センチほど沈む


「あれ?相棒お前魔法つかえないんじゃ?」

そう言うと


「普通の魔法がな」


「まじかよ…まぁいいか…今度教えてくれよ?」


「あぁもちろん」

俺との会話を終わらせ


「さぁてどうしましょうかね?」

相棒はバカにするように言う


「ぐぁっ!ぐぅぅぅぅ!」

と苦しそうにしているため

口を開くこともできないようだ


相棒は術を解除する


「おい?もう降参か?」


「この俺様が貴様ごときにぃぃぃぃぃ」

と会話の途中て再び魔法を使う


やべっかわいそうに見えてきた


再び術を解く


「降参か?」

すると涙を流しながら


「します!します!降参します!」

と大声で叫ぶ


「あぁ?許すと思ってんのか?」

相棒はわざとらしく言う


「ひぃぃぃ!なんでもしますから!」


「そうだな…じゃあ死ね」


「ひぃぃぃ!そこをなんとか!」


さっきから

ひぃぃぃ!ひぃぃぃ!って

完全に雑魚キャラじゃねぇか!

北斗の◯の雑魚でも

ヒャッハー!だったぞ?

もっとやる気あったぞ?

世紀末見習えや‼︎


そんなことを1人で考える


「まぁいい殺さないでやろう、だが

次に俺やルミリアの前に現れたら死んだと思え!

いいな!」


「わかりました!わかりました!」


そう言って何度かこけながら

演習場からにげていった


決闘が終わると

先生や生徒会長が唖然とする中で

ルミリアの笑顔だけが輝いていた。


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