十七話 生徒会に入るようです

「えっと…拒否権とかって…」

すると生徒会長はズバリと言い切る


「ダメよ」


「はぁ…」

俺がため息を吐いていると隣で

ルミリアが笑顔で


「一緒に頑張ろうねセルフィ!」

ルミリアと一緒にやれるのはとても嬉しい

けど…


俺が浮かない顔をしていると

生徒会長が俺に声をかける


「あなたたちって寮に住むのよね?」


「はい」

父さんから寮生活になるから物はいらないと言われていたのだ


「なら…生徒会長権限でセルリアスさんと

同じ部屋にしてあげるから

生徒会に入ってくれないかしら?」


「えっ!いいんですか?」

そう言ったのはルミリアだった


「いやダメでしょ…確か寮って男女別々

なんですよね?」


「これでもだめなの?」

そんなこんなで議論していると

後ろのドアが開く


「会長!書類持ってきまし…」

生徒会長と同い年くらいの金髪のイケメン男がやってきた。恐らく先輩だろう


「あっありがと」

そう言うと生徒会長は男の持ってきた

書類を受け取る


すると先輩の男はこちらを指差して

会長に尋ねる

「彼らは一体なぜここにいるのですか?」


「あぁ紹介しておくわね女の子の方が学年主席の

セルリアスさん

そして男の子の方は私が呼んだ

ハルバート君よ」


先輩の男は言う

「学年主席…という事は新しい生徒会メンバー

ですか?」


「そうよ」


すると先輩はルミリアに一礼し

自己紹介をする


「僕は生徒会で書記を務めさせてもらってる

ルドルフと言うものだ…これからよろしく」


そう言ってルミリアに手を差し出す

ルミリアはその手を握り


「私はセルリアス ルミリアと申します

これからよろしくお願いします」


そう言ってルミリアの手を離すと

ルドルフ先輩は俺の方を向いた


「彼も生徒会に?」


「今勧誘しているところよ…」

生徒会長はため息まじりに先輩に言う


ルドルフ先輩がこちらに話しかけてくる

「えっと…ハルバート君だっけ?」


「はい…ハルバート セルフィムと申します」

なんか入れられそうな雰囲気だ


「会長…ちなみにハルバート君のランキングは?

まぁ会長の事ですから2位か3位でしょうけど…」


「彼は…最下位よ」


「あぁそうですかやっぱり…

ってえぇ⁉︎最下位?どうして一般生を?

生徒会には少なくとも準特待生で上位の成績が

なければ入れないんですよ⁉︎」


「そんな事言ったら余計入ってくれない

じゃない…」

会長はまたため息を吐く


ルドルフ先輩は顔を下げて

「す、すいません」

と一礼した


「よし!ちょっと全員ついてきて!」

と言うと俺、ルミリア、ルドルフ先輩の

肩を叩き扉を開ける

俺たちは生徒会長の後ろをついていく






「ここは?」

俺が生徒会長に尋ねると


「ここは地下演習場ってとこかしらね」


「ここで何をするんですか?」

すると生徒会長は笑顔で


「何って戦うに決まってるじゃない」


「戦うって誰と?」

俺が首をかしげると生徒会長は指をさす

さした指の先はルドルフ先輩だった


ルドルフ先輩は俺との対戦相手に選ばれ

驚いた表情で喋り出す


「会長!流石にそれでは戦いになりません!」


すると生徒会長は煽るように


「そうねルドルフ君じゃ相手にならないわね」


そう言われてルドルフ先輩は何かブツブツ言った後に

「いいでしょう会長!怪我させても

知りませんからね!」


いやいやいやいや何言ってんのこいつら?

バカじゃねぇのか?入学したばっかの

年下いじめて遊ぼうってか?


いいだろう!その腐った考えを根元から

叩き直してやる!そう心で叫び

ルドルフ先輩にこう言う


「お手柔らかにお願いします…」

そう言ってドームの様な建物の中に入る


「負けないでね!セルフィ!」

ルミリアの声が聞こえた

やべぇこれはますます負けられないな

俺とルドルフ先輩は向かい合う





「試合開始!」

会長の合図で両者共に一瞬でその場から

消える


「うわっ!」

俺の目の前をデカイ火の玉が通過する


「運がいいな」

とルドルフ先輩の声が聞こえる

ってかさっきまでの真面目キャラ

どこいった⁉︎

明らかに戦闘狂の言葉だったぞ今!


はぁもうだるい疲れた早く帰って寝よ


俺は邪竜との戦いから久しぶりに

封印を解く


ちなみに普段は封印してます!

相棒と仲良くなったのでいつでも

解除できるから!サイコー!


頭の中で無機質な声が鳴り響く

【承認を確認 封印を解除しました】


封印を解除した途端ルドルフ先輩が

再び大きな火の玉を撃ってくる

だが、封印を解いた俺に柔な攻撃は無意味

飛んできた火の玉を手で払う様にして

消し去る


「嘘だろ⁉︎」

ルドルフ先輩は驚きを声にする


「そこか」

俺は無詠唱で、一瞬で、上級魔法を撃つ


「うわっ‼︎」

と言う音と共に地面に転がり込む

確認に行くと


「うわっ!先輩泡吹いてる!」

思わず声にしてしまう

どうしようかと迷っていると

後ろから声が聞こえた


「試合はハルバート君の勝利で終わり

みたいね!」


「はぁ…」


「これで一緒に生徒会に入れるね!」

ルミリアは笑顔ではしゃいでいる


「あぁわかったよ生徒会に入らせてもらう…だが!

ルミリアと寮は一緒なんですよね!生徒会長!」


するとまっかせなさい!と胸を張っていた


「改めてですが再度自己紹介を

ハルバート セラフィムです!

入学したばっかでわからないことだらけですが

どうぞよろしくお願いします!」


こうして俺はなんやかんやで

生徒会に入る事になった…

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