十六話 チートの一端がばれたようです

「なげぇな」

俺は小声でつぶやく


今俺は入学式の最中で

よくある先生の長い話を聞いている

俺の隣にルミリアのすがたは無い

さっき一緒に入ってきた時に先生に


「セルリアスさん?ちょっとこっちに来てくれる?」

と言われて先生について行ったのだ


男女別々なのかな?


とこんな事を考えていると先生の話が

終わった


「次は今回の試験で主席をとった方からの一言です」


あぁそんなのあるんだな


「ではお願いします!この学年の主席

セルリアス ルミリアさんです!」


「へっ⁉︎」

思わず変な声が出てしまう


待て待て待て待て…えっ⁉︎

嘘だろ?ルミリアが学年主席?

確かに試験で高得点っていうか満点

出してたけど


すると前に出てきたルミリアは生徒達に

一礼し話し始める


「ご紹介に預かりましたセルリアス ルミリア

と申します。

これからの学校生活をよりよいものとするため

互いに切磋琢磨し助け合いながら頑張りましょう!

では私からの話は終わります」

また一礼する


すると

会場は拍手の嵐で包まれる

中には

「あの主席の子むっちゃかわいくね?」

とか

「余の妃にふさわしい」

だとかほざいてる奴らがいたので

ルミリアに手を出したら二度と

立ち直れない様にボッコボコにする事を

決意した



やがて入学式が終わり

ルミリアを待っていると


「ルミリアさん!僕たちのパーティに

入りませんか!」


と男達の声が聞こえたので声が聞こえる方へ

歩いて行くと


そこには困った顔をしたルミリアがいた


ルミリアは俺を見つけると


「セルフィ〜‼︎」

と言って俺の元に走ってきて

俺の後ろに隠れた


「どうしたの?ルミリア?」

俺がルミリアに質問をしていると


「おい!どけよ!」

と1人の男…と言っても同い年ぐらいの

男の子が俺に向けて声を発する


「えっと…落ち着い」

俺の後ろでルミリアが震えている


「お前じゃなくてルミリアさんに話があるんだよ!

三下に用わねぇ!」


あーやばいガキ相手にキレるとか

情けない事したくないが

今のはキレたね堪忍袋の緒とかいろいろ

てか三下とか知ってるんだな…

まぁいい


「ルミリアが震えてんだろ!俺が答えてやるから

黙ってろ!」


「ルミリアさんを呼び捨てにしやがって!お前みたいなやつが気軽に呼び捨てにすんじゃねぇよ!」

そう言って男の子は魔法を詠唱し始める


「ほほ〜んいいんだな?

それは戦争開始の合図と受け取っていいんだよな?」


「お前みたいな最下位の雑魚は

俺様には勝てねぇよ!」

なぜか俺の順位を知っているらしい

情報漏洩とか勘弁してくれよ


「だいたいお前みたいな雑魚が

ルミリアさんと…」

といいかけた所で俺は一瞬で男の子の前に

移動し両腕で男の子の手を持って

思いっきり壁に投げつける


「ぐぁ‼︎」

壁にぶち当たり間抜けな声を上げる


まだ意識はある様だ


「てめぇ!」


「おぉ〜今ので倒れないかすごいな〜」

俺は男の子を馬鹿にしたように褒める


「ふんっ!この程度貴族出身の俺様には

効かないんだよ!」

なるほど貴族だったのか

なら態度のデカイのもうなずける


貴族の男の子は右手を握りしめて

俺に向かって走ってくる


「ほう?これはどうかな?」

そう言って向かってくる男の子の背後に

一瞬で移動し首にチョップを入れる


すると

「バタッ!」

という音と共に地面に倒れこむ

気絶しているようだ


するといつの間にか周りには

入学式に出席した子達が溢れていた


「あの倒れてる方の男って確か

ランキング2位の貴族の子だよね?」


「マジかよ!でも倒した方のやつ

ランキング最下位とか言ってなかったか?」


そんな話を聞いていると


「何があったんですか⁉︎」

するとそこには魔力値の試験の時に

お世話になった先生が息を切らしていた


「これはどういうことなの⁉︎ハルバート君」

先生は倒れた貴族の男の子を見て

俺に問いかけてくる


「俺はただルミリアが困っていたので助けようと

したらこの男の子が魔法を詠唱し始めたので

コテンパンにしてやっただけですけど?」


「そ、その話は後で聞かせてもらうとして

この子を医療室に連れて行かなきゃ!」

先生は倒れた貴族の男の子を抱っこする


「あぁ最後にハルバート君と

セルリアスさんは今から生徒会室に行って」

そう言い残すと先生は走って行った


「ありがとう!セラフィ!」

すると後ろで縮こまっていたルミリアが

笑顔で俺にお礼を言う


「いや別に…ルミリアを守るのはあたりまえだし!」

そう言うとルミリアは


「そうだったね!ありがと!」


「とりあえず生徒会室って所いくか…」


「そうだね 先生も言ってたし!」

俺とルミリアは生徒会室を目指して

歩き出した


因みに主席の挨拶は先生に渡された

ものを覚えたらしい

通りでスラスラなわけだ…

と俺は納得した







「失礼します!

ハルバートとセルリアスです!」


すると

「入っていいですよ」


とお許しが出たので俺は目の前のドアを開け中に入る


すると黒髪ロングで整った顔をした

ものすごくかわいい中学生くらいの

美少女が椅子に座っていた


「いきなり呼び出してすいませんね

セルリアスさんにハルバート…君だっけ?

私はこの学校の生徒会長をしているものよ」


「えぇ別に構いませんよ」


「いきなりだけど今まで学年の主席をとった方には

生徒会に入ってもらうのだけれど…

セルリアスさん入ってくれないかしら?」


「はい!それは構いませんが…

セ、セルフィも一緒に!だ、ダメでしょうか?」


「ルミリア?あまり困らせるような事を

言っちゃダメだよ?」

と俺はルミリアを軽く叱る


すると生徒会長は

「いいわよ!っていうかハルバート君も

生徒会に勧誘する気だったもの」


「へっ?なんで俺が?」

やった!と喜んでいるルミリアの横で

疑問をぶつける


「だってハルバート君…あなた試験の時

本気出してなかったでしょ!」


「ギクッ!」

あぁやばい絶対ばれた

今の肯定してるようなもんだもん


「やっぱり!

で?なんで本気でやらなかったの?」


「いや…目立ちたくなかったからですけど…」


すると黒髪ロングの美少女は


「あのねぇ…試験なのよ?本気でやらなきゃ

意味ないじゃない…所でハルバート君あなた

魔法の属性何個つかえるの?」


「えっ?2つですけど…」


「…嘘ね。本当は?」

ジリジリと詰め寄ってくる


「3属せ」


「また嘘を付く!」

さらに詰め寄ってくる


「全属性です…」


すると

「嘘は付いていないようね」

隣ですごいすごいとはしゃいでいる

ルミリアの横で俺のチートの一端が

生徒会長にばれた


これからどうなるんだよ俺…

心の中で小さくつぶやいた


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る