十一話 村ではパーティが開かれるようです


「あっ!起こしちゃった?」

目を開けるとそこには顔を少し赤くして

笑顔で語りかけてくるルミリアの姿があった

「おはようルミリア…怪我はない?」

確か外傷は無かったが俺は心配で声をかける。

「大丈夫だよ!セラフィのおかげだね!」

なんだろう?なんか違和感がある…

ふと体を起こし現状を確認する。

俺はルミリアに膝枕をしてもらっていたのだ、

俺は瞬時に体を倒そうとする

何故なら今までルミリアに膝枕を

してもらった事がないのだ

まだ味わいきっていない!

だが

「セラフィも大丈夫そうだね!」

その言葉のあとにルミリアは立ち上がる

体を倒した俺はルミリアの膝触れることなく

地面に寝そべる形になる。

クソッもっと味わいたかった…

初めての膝枕だったのに…

俺は再度体を起こしながら思う。

「セラフィの父さまと母さまが目が覚めたら

家に来るように言ってたよ?」

「あぁわかった」

俺は家に向けて歩き出す

すると後ろから肩を叩かれる

「ん?まだなんかよ」

そこにはほんのりと頬を赤めた顔が

すぐ近くにあり、

喋っていた口はルミリアの唇によって

塞がれていた。そうキスだ。

俺はわけも分からずそのまま棒立ちしている

5秒くらいたっただろうか?

ルミリアの柔らかい唇が俺の唇から離れる

「私も大好きだよ!」

そう言ってルミリアは自分の家の方へと

走って行った。

「えっ……?」

今のは?俺…キスされたよな…

そのあと好きだって…

「はへっ?」

まぬけな声しか出てこない

俺は1分くらいかけて叫びたい気持ちと

高鳴る鼓動を抑えながら

ゆっくりと家に向けて歩き出した。



「はっきり言うが…邪竜を倒したのは

セラフィムお前か?」

父さんは話を切り出す

「えっと………うん」

なにかやばかったのか?

でもあぁしないと村のみんなが危なかった

っていうかルミリアが倒れて

暴走しただけだけど…

「凄いじゃない!」

この重そうな雰囲気を壊したのは

母さんだった。

「すごいすごいとは思っていたが…

ここまでとは思わなかったぞ!流石俺の

自慢の息子だ!」

父さんも母さんも笑顔で褒めてくれる。

「えっ?怒られるんじゃ?」

俺は率直な疑問をぶつける

「なんで村の危機を救ってくれた

セラフィムを怒らなくちゃいけないだ?」

父さんはなに言ってるんだこいつ?

みたいな感じで答える。

「そうよ!村のみんなを守ったんだから

胸を張っていいのよ?」

母さんも父さんのように褒めてくる。

「いや〜自慢の息子を持ったようだな

母さん!」

「そうねぇ私たちには勿体無いくらいだわ!」

そんな感じで俺は両親から

褒め殺しをくらい俺の精神的な何かが

減った気がした…

まぁ疲れていたからすぐ寝たんだが…



次の日

目を覚ますと俺は外にいた

「えっ?」

すると俺の周りに村のみんなが俺を

囲んでいる。

「せーの!」

という村長の合図のあとに

村のみんなは声を合わせて声を上げる

「セラフィム!ありがとう‼︎」

その声のあとに

盛大な拍手が俺に送られる

「えっ…?」

するとルミリアが呆れた顔で言う

「えーっと、セラフィ?まだ気づいてないの?」

「気づいてないって何を?」

「だ〜か〜ら〜!村を守ってくれた

セラフィに感謝を込めてパーティを

開こうってなったんだよ!」

周りを見渡すと村のみんなの座っている

テーブルらしき場所に

美味しそうな料理が所狭しとならんでいた。

「ほら!セラフィこっちこっち!」

ルミリアに手を引かれちょっとした

台の上に乗せられる。

「ほらっなんかいいなよ!」

ルミリアに急かされる

何もわからなかったがとりあえず

「えっと、か…乾杯?」

すると村のみんなは

片手に飲み物を持ち上げ

「かんぱ〜い‼︎‼︎」

そして

セラフィム村を救ってくれてありがとう

パーティが始まる。


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