六話 洞窟の中は危険がいっぱいあるようです


「ですよね…」

俺は心の中でつぶやいた

目の前には10数匹のゴブリン達が徘徊している

逃げ切るのはまず無理だろう

まとまっていたならまだ可能性はあったが、

バラバラに徘徊されると

一匹に見つかったとたんにゲームオーバーだ。

「やるしかないのか…」

内心諦めつつも少しワクワクしていた

なぜならついさっき

一匹相手だが倒すことができたからである

[フレイム]だっけか

でもさすがにこの数となると考えものなのだ。

「どーすっかな〜」

一匹ずつなんらかの方法で

おびき出して倒すか?

しかし魔力値も魔力消費量すら

分からない状況ではリスクが高すぎる…

石かなにか音の鳴るものを逆方向の壁に当てて

ゴブリン達の気をそらしてにげるか?

逆にばれそうだ。却下。


となると[フレイム]を使って

一網打尽にするか?

まぁ…最低でもあと3回は使えるだろう…

多分…これが一番確率が高いだろう。

となるとどうやって一網打尽にするかだな

「う〜ん」

ゴブリン達が全員気づいてなお、

動きを止めることができないと意味がないしな

俺はひっそりとゴブリン達を観察する。

[フレイム]の広範囲版とかあれば

余裕で解決なんだが…

フレイムを教えてくれた人どうか!

「……」

まぁ無理だよね

うん

分かってた

人生そんなに甘くないよね…


突然、頭の中で無機質な声が聞こえた。

【はぁ…[フレイムボム]を習得しました。】



「えっ?」

はぁーって言った今?

なんでため息? じゃなくて!自我あるの?

確かに困った時にだけ助けてくれるけど…

すげービックリしたんだけど…まぁいいや…

とりあえずどんなものか[鑑定]してみよう。


【フレイムボム】

・中級魔法

・設置型魔法

説明・火属性の中級設置型魔法

自分の好きな時に起爆出来る

・半径5メートル以内に

火属性のダメージと爆発ダメージ

・半径8メートル以内に爆発ダメージ


「……」

この時俺の考えた時間は無駄に

なったのだった。

いや感謝してるよ?

うん

何もいうことはないな、とりあえず

ありがとうございます声の主。

じゃあ…

チャチャっと片付けますか

洞窟の真ん中にセットしてっと

あとは呼び出すだけ実に簡単だね、

あはははは。

俺はゴブリン達に聞こえる様に

声を上げる

「あーーーーーーー」

なんでもいいのだ

気さえ引ければ

案の定ゴブリンは気付くやいなや

奇声をあげながら突っ込んできた

バカなやつらめ!

よし全員入ったな、いくぞー!

「喝っ‼︎」

ゴブリン達の中心で爆発が起こる

フレイムボムの近くにいたゴブリンは

声をあげる暇もなく消滅。

中心から離れていたゴブリンも爆発と爆風で

吹き飛ばされ壁に激突し消滅。

「こわっ!」

我ながらえげつない威力だな離れてたとはいえ

爆風で尻もちつきそうだったぞ…

でもよかった〜

そこは初めてゴブリンを見た場所だった

ここからは道がわかるため

無事に帰れる

あっ、忘れちゃいけない魔石、魔石っと…

俺は転がっている魔石を全て集め

ポケットにぶち込む。

はぁ…さんざんだったな…あのスパルタ親父め

帰ったら母さんに言いつけてやる!



はぁ〜

外の空気はうまいな〜洞窟は生臭かったからな〜

などとかんがえていると

「大丈夫だったか?」

そこには

スパルタ親父の姿があった

それから俺は親父と森を抜け村へと帰った。

家についてから

親父が母さんにこっぴどくやられたのは

言うまでもない。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る