cocoa

私は、えいっと気合いを入れて黄色いジュータンを進んで行く。


右に曲がりずっとまっすぐ行くと、右手の黄色い色で塗られた部屋の前で黄色いジュータンがとぎれた。


ドアには、流ちょうな字で妖精王ハーランと名前が書かれている。


トントン


私は、黄色いドアをたたいた。


「お入り!」


すこし甲高い声が答える。


私は、ドアを開けて、中を見て驚いた。


部屋の中央に端を二本の太い柱につなげた網があり、網に太った老人が寝ていた。


網?何かしら?


「珍しいじゃろ。ハンモックというものだ」


老人は、ハンモックから降りて、暖炉の2人がけのゆり椅子に、私を手招きする。その手を小テーブルにふるうと、湯気がたった飲み物が入ったカップが2つあらわれた。


私は、眼を丸くさせる。


魔法を使うなんて!


「魔法は、便利じゃな。2人だけの秘密じゃ。ココアをお飲み」


私は、ゆり椅子に腰を下ろしてから、カップに手を伸ばした。


にゃーん!


妖精と人間の戦いが描かれたタペストリーの裏から、白い猫が姿をあらわして、私の手をなめた。











 

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