スタート
私は、服のボタンを掛け違えていた1歳の弟に眼を止め、直してあげる。
「ポポ、いい?1歳になったんだから、自分でちゃんと着るのよ。私はもういないんだからね」
「う、うん、僕がんばる!」
小さなピンクの巻き毛の妖精の可愛い、私の弟は、はりきって答えた。
ガチャ
私たち2人部屋のドアが開く。
「モモ!ポポ!朝ご飯よ」
「はーい」
▽
私のオムライスには、モモ、誕生日おめでとう!と書かれている。
「お母さん、ありがとう。妖精修行頑張ります」
私のお母さんも、弟と同じピンクの髪の妖精で胸にMAMAと書かれてる小さなエプロンをかけている。
「お、(オムライスを飲み込む)お姉ちゃん、頑張って」
「あらあら、ポポ、よく噛んで食べるのよ」
▽
「では、妖精王に会ってきます!」
「行ってらっしゃい!」
「いってらっしゃい」
私は、マジックドアをくぐって 妖精王の宮殿に出る。
槍を持った門番らしき男と、分厚い本を持った男がいた。
「妖精王に会いにきました。今日、2歳の誕生日なんです」
「(ぺらぺらと本をめくる音)モモ、2歳だな、確かに。そこの黄色いジュータンをずっと行くと妖精王のところへ行けるぞ」
「はい、ありがとうございます」
私は、黄色いジュータンの先をチラリと見た。
遠い!先が見えないわ。でも、行くしかない。
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