メロン対メカメロン
「この度、政府より対メロン用に開発されていた兵器、メカメロンが完成したとの発表がありました」
テレビを見ていた俺は、そのニュースを見てこう呟いた。
「ああ、駄目だなこれ」
◆
「大変だ! メカメロンが暴走した!」
予想どおりの言葉と共に役人がやって来る。
いい加減政府は人事を刷新するべきだと思うんだ。
税金はお前等のオモチャ代じゃねぇんだぞ、という本音を隠しながら依頼を聞く。
「暴走したメカメロンを無傷で回収して欲しい」
「死ね」
いかん本音が出た。
「私と君の仲じゃないか」
ろくでもない仕事ばかり頼まれた記憶しかないんだが。
「そんな無茶な仕事を請けられるか。常識で物を考えろ」
「わ、分かった。じゃあ保障で治るレベルでなら壊して構わん」
保障入ってるのかよ。
「ちなみにコレが5年保障の契約用紙だ。この内容に抵触しない範囲でなら壊して構わない」
俺は渡された契約用紙を読む。
うん、これ家電の保証書だ。
「現物の仕様書とか無いのか?」
「これだ。くれぐれも外部には流出させないでくれたまえ」
だがするか。
俺はメカメロンの仕様書のページを開く。
一体何処のアホメーカーがこんなバカな物を作ったんだよ。
「全自動メロン掃除機メンバ取り扱い説明書?」
あのメーカーだった。
◆
一通り仕様書という名の説明書を読んだ俺は、メカメロン対策を脳内で練る。
「どうかね? メカメロンを止める事はできるかね?」
「まぁ、この契約内容なら可能だ」
「そうか! 宜しく頼むよ!!」
そして俺は、暴走するメカメロンを川にブン投げた。
教訓、水没保障は絶対に契約しておけ。
メロンに襲われた。 十一屋翠 @zyuuitiya
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