「キヨハラくん」の肖像 (一)清原和博氏の逮捕を受けて
元プロ野球選手の清原和博氏が覚醒剤所持・使用の疑いで逮捕された。
「氏」と敬称付きにするのは、呼び捨てにして書くと、自分の中で嫌な感じが起きるからだ。
例えて言うなら、小さい頃、隣に住んで親しく挨拶していたお兄さんに唾を吐きかけるような気持ちになる。
むろん、会ったことは一度もないが、私の中では冷笑を浴びせかけるのはためらわれる位置づけの人であるし、西武ライオンズ在籍時の彼を子供時代に見ていた世代の中には、そんな人は少なくないのではないかと思う。
正直、私はプロ野球ファンというほど熱心に見続けてきたわけでもなく、今活躍している選手は有名どころの名前なら何とか分かるという程度の関心しかない。
まれにテレビで野球中継を見ても、
「え、この人もう監督やってるの?」
「いつの間にか引退して解説者してるのか」
等々、試合内容や現役選手たちの活躍よりも世代交代に驚く場面の方が多いくらいだ。
近年の清原氏についても
「西武にいた頃は素朴な感じだったのにどんどんおかしくなってくな」
「あんな風では指導者にもお呼びが掛からないからますます変な方向に行くんだろう」
という認識でいた。
それでも、逮捕の報道にはとてもショックを受けた。
同時に、清原氏が不良的なイメージでメディアに露出し、また、週刊誌のゴシップ欄を騒がせることはあっても、本当の意味で犯罪者に転落することはないだろうとどこかで信じ込んでいた自分に気付いた。
子供時代に親しみを持って眺めていた対象への信頼感というものは存外強固なものだ。
最近では全くプロ野球中継も結果も見ていないスポーツ音痴なのに果たして語って良いのかという迷いはあるが、以下、思うところを書いてみたい。
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