第8話【閉怨】


 停滞が続いている。

 今の僕は、何も書いていない時の方がマシな精神状態をしている。

 まただ。

 結局抗えない。

 でも、それじゃダメなんだ。

 たった5000字に二日も掛かる今の状態はクソでしかないけど、

 それでも諦めたら、

 今の僕が諦めるという選択をしてしまったら、

 それは僕の人生をも諦める事になる。

 ……いや、それでいいか。

 仕事では何一つ評価されない。

 そも、何処へ行っても長続きしない。

 直ぐクビになって、タウンワークと睨めっこだ。

 僕はどれだけ足掻いても、普通の人の様にはいかない。

 そうしてダメな事が増えてゆくと、書きモノにも支障が出てくる。

 直に何も出来なくなる。

 正直、変な意地を張って生きているだけなんだと思う。

 自殺すれば、きっと楽になれる。

 自殺するのが僕の運命なんだろう。

 だからきっと、意地でも死を拒んでいる今こそが、

 間違いなんだ。

 死ななきゃならない。

 こんな役立たずで、何も出来ない、

 豆腐メンタルな人間のクズは。

 煩い。

 だったらお前が殺せ。

 僕は死にたくない。

 それが為に生きているといっても過言ではない。

 僕は逃げ続ける。

 生きる為に。

 その結果、この世界を食い潰す事になっても。

 僕は生き続ける。

 それ以外何も考えられない。

 可笑しくなってるんだ。

 だから早く殺してくれ。

 それでも僕は、追い縋るナイフから逃げ続ける。

 簡単に死んで堪るか。

 僕は死にたくないんだ。

 だから、早く僕を捕まえて殺してくれ。

 僕を世の中へ野放しにしないでくれ。

 殺してくれ。

 この世界に受け入れられない僕を、

 消してくれ。

 でなきゃ何時か君の生活をも僕は脅かすだろう。

 僕のせいで世界は停滞し、

 僕のせいで滅びへ真っ逆さまだ。

 僕のせいで人類は足踏みを、後ろ歩きを余儀なくされる。

 この無能者のせいで。

 だから早く僕を殺すんだ。

 世界を救う為に。

 君が明日を活きる為に。

 このクズを殺せ。

 早く。

 早く。




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