ACT.31 世界《ゲーム》に冒された者たち
━━正直者が正しいわけでも、騙す方が悪いわけでもない━━
「……魔王のランク不明で鬼畜だから獣騎兵のランクが現実的に見える。」
「待て!鬼畜設定忘れんなよ?大半のプレイヤーがAランクだけど、このゲームで20年Aランクやってるヤツがいてもおかしくないってこと忘れんな。」
近くのプレイヤーさんの会話が聞こえてきます。
うっわー、クリストファーくんの2年でやっとCランクになったのが可愛く思えますね。何で続けてるんですか?!……だからね?
この
ゲームってある意味、コミュニケーションでコミュニティが築かれているようですが、現実の徒党を組んでるお偉いさんたちと何ら変わらない方々もいる。扱っているのが生身の人間だと理解しきれていない。だから、クリストファーくんのように気の小さい人がひどい目に合う。
だから正直者が正しいわけでも、騙す方が悪いわけでもない。正直者でいることが悪循環でも、騙す方を正当化していいってことにもならない。
結局、人間と人間の感情のぶつかり合いには代わりないんです。それを同等と見るか、軽んじるか。……甘くはないってことですね。
ゲームだから、実際の顔が見えていないから何でも許されるなんて考えてるうちは、本質が見抜けないでしょう。
心の
あ、何かすごい伏線キターとか思いました?……残念、ただの私の久々の推察と推考です。忘れてたでしょう?忘れたころに見せ場を作る私!誰も見てないけど!
「……おい、あそこにいるのって。」
「やっとAランクから脱却出来そうだ……。」
「
「……くそ強いって噂のメンツが揃ってる?!」
てか和巳さん、6年前に来てたんですか?その割に要領悪くなかったですか?やっぱ性格出ちゃいます?
「げ。くそメンドクセーな。」
「……噂の目立つ
有名な原因、あれですね。
\俺は魔王になる!/
懐かしのあのフレーズ。目立ちたくない人にはとっても迷惑な。
「ああ、
今や逆効果となっております!
「……人数、これ以上増えたら面倒臭いわ。」
神の一声来ましたー!
「おっし、逃げるぞ!」
皆さん、咲哉の一言でかいですな。直ぐ様Uターンしましたよ。
まぁ、ずっと興奮しているわけにはいかないですし、おすし。少したてば街道も捌けるでしょう。
私も!モブ扱いならまだしも、パーティメンバー把握しきれなくなりますし、おすし。現に和巳さんを忘れそうになりましたからね。
「……にしても、困りましたね。」
「Sランクは数えるほどしかいない。連中も焦るわけさ。頼りたくなる気持ちはわかるだろ。」
「ゲオルグ、優しすぎ!そんな真っ当なヤツらばかりじゃねぇってわかってんじゃん。」
「……おまえらの状態を知らないだけなんだ。知ったら、余程の悪党以外来ない。なら、ソイツらをブッ飛ばせば済むじゃないか。もちろん、外で。」
「まだ無敵だって思われてますからからね。伝えるにしても、あまり期待は出来ません。」
ですよねー。
「……それでも、このクエストには行かないとならない。お父様からの招待、なんだと思うわ。」
「流れ的に王妃がお袋さんなら、国王は親父さんだろうし……。」
「そしたら、サクヤさんはお姫様ですね!」
「……おまえ、俺のセリフ取るんじゃねぇよ。」
割って入ったクリストファーくん、ある意味定石です。
「そんな柄じゃないわ。」
いやまぁ、いつもの空気になったのはいいんですが、和巳さんしゃべりませんね。一人になったら逃げられないし、取り敢えずここにいる感じを貫いているご様子。お一人では上手く立ち回れないことは学ばれたでしょうし。……咲哉とヴェノムしか認めてはいないようですが。
一人で何でもこなされてきて、いざこんな場所に来たら応用が利かない。分かりやすいくらいイライラしたことでしょう。
人間、協調性も大事なんですよね。いくら人見知りであろうと。何だかんだで一人では生きては行けません。嫌なことも率先してやらなければならない。やらないですむなんて、一時的。どんなに上手く立ち回っているムードメーカーでも、実際はかなり割りきりが必要です。妥協の連続です。そんなムードメーカーに屈託なく話が出来る
協調性って表面だけでも大丈夫ですよ。性格ってありますからね。考え方は変えられても、性格は変えられませんから。ムードメーカーが何でも出来ちゃうスーパーマンなんてイメージは捨てるべきだとは思います。
……人の和の中にいる人ほど不器用でさみしがりやで、人間関係上手くいってないなんてざらですよ。表には出さないだけで。100%の完璧人間なんていないんですから。
だから、和巳さんも大人なんですから、ちゃんと混ざってください!子どもはクリストファーくんだけですからね?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます