ACT.17.5 捜査会議と行方不明者
━━《若年末期及び若年帰宅困難患者連続失踪事件対策本部》━━
左側のホワイトボードには、刑事ドラマで見るような手書きの文字や矢印が書かれ、写真が張られている。右側には、詳細が年単位で簡潔に書かれていた。
『1990年~2000年
失踪者に関してはまだ関連のない時期
合計数十名がこの期間に下記期間と似た理由での失踪がのちに判明
病院の数が多いため、関連には至らなかった
現在の日本での年間失踪者は千名前後
その中に紛れて注視されていなかった
2005年
事態の急変、一斉失踪者が多発
その数、年間総数数百人に上った
失踪者の一人・
しかし、同時期から二年周期で不可思議な行方不明者が出始めた』
中年の男が指揮を取っていた。
「……佐々木巡査、
若い刑事が規律正しく立ち上がる。
「はい!『ある日、知らないおじさんが僕のところに来ました。何故か、僕の病気を知っていました。君はその痛みから解放されたくはないか?死ぬ恐怖のない世界に行きたくはないか?私なら、それが叶えられるよ。僕は悩みました。僕の手術の成功率は5%です。……僕はおじさんについていってみようと思います。記憶がいくつか消えてしまうとは言われました。病気が進行して、訳がわからなくなるのとは違うそうです。あちらの世界との矛盾を無くすものだそうです。お父さん、お母さん、ごめんなさい。生きていられる世界があるのなら、僕は生きていたい。もう会えなくなるけど、元気でいてね。』以上です。」
「ありがとう。しかしまぁ、なんと言うか。死を示唆しているようにしか思えないですな。桜庭警視総監、如何ですかな?」
壮年の男性に向けられた。
「……ふむ。この事件が、息子の行方不明にどう関係あるかは謎だが、逆の立場を利用するケースもある。関連性がないとも言い切れない。」
そう、この警視総監の息子は二年前に行方不明となっていた。家出をしたようには思えない。何らかの関連性があるに違いないと、捜査を進めるのであった。
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