ACT.12 着替えと確信

━━濃いキャラが現れた━━



正にそんな感じなんですよね。これでは私の立場が危うくなっちゃいますよ!今更、ノーマルなナレーションに戻るわけにはいかない!


突如として現れた非常識区分セレクターのヴェノム。二年前の大規模アップデートのときに償還された。



!/



そう、トンでもないことを叫んだその人である。



……現在、優雅にカフェでティータイム中。どうしてこうなったかというと、ヴェノムがニュアンスだが、咲哉を非常識区分セレクターだと言ってしまったことにある。100%の可能性は二人にはなかった。しかし、ヴェノムの発言は断言的だったからだ。周りは異常なざわめきを見せ、騒ぎになりかけていた。従って、渦中の三人は移動を余儀なくされたのである。咲哉に取っては有難迷惑な話だ。



「……サクヤさぁ、ホント勿体無いよなー。女ってのは、男に愛される生き物なんだぜー?」


誰かコイツの口を塞いでくれないかな……。


「……よし!ちょっとついてこいよ!」


強引すぎて最早何も言えない二人は、引き摺られるようにしてヴェノムに連れ拐われていく。……いやいやいや!置いてかないでー!



……着いたのは、ブティックとしか形容出来ないお店。明らかに女性服のお店だ。ずかずかと入っていく。


「いらっしゃいませ。」


綺麗な店員さんが反応する。


「わりぃけど、この子にぴったりの服、なん着か見繕って。」


「畏まりました。こちらへ。」


店員(NPC)に連れていかれる咲哉。さ、咲哉ぁぁぁぁぁ!!クリストファーくんは青ざめながらも動けないでいます。




「…お客様、申し訳ありませんが、外していただけませんか?」



?どれ?



「お待たせしました。」


暫くすると、店員(NPC)が戻ってくる。

……後ろには………すごく不機嫌そうな咲哉がいました。……ん?何か違和感が。


「……ワァオ。」


前髪をピンで留められた咲哉。セクシーとキュートの融合みたいな服装。弓職に似合う、何とも可愛らしい衣装だ。メイド服っぽくもありますね。……ああ、ってさらしだったのか。


「……お、お似合いです!何か魔法少女みたいで。」


目をさ迷わせるクリストファーくん。うん、まぁ、奇抜だよね……。ピンクを基調とした、ライン重視の胸元の開いたゴシック調のフリルワンピース。これは……あざとい。さらしをとった胸は、微かに揺れていた。



「……やっぱ、スタイルいいな。なぁ?サン?」



「!?」



一瞬で強張る。何故、彼が咲哉のフルネームを知っている?……出会ったときから違和感はあった。まるで咲哉を知っているかのような態度。

今のセリフで確信が持てた。と。




******ACT.13へ******

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