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「なるほど、この隆一って人がカスなのはよくわかったわ」

 本人を目の前にして美沙は言う。少し勢いが戻ってきたようだ。

「それと茉梨お姉さんって、店長の話を聞くと完璧な聖人に聞こえたけど、これ見るとなんというか……」

「変なヤツだったよ。どこか世間を斜めから見ているような子だった」

「うんそうだね。でもあなたのほうが変でカスだから安心して」

「……俺、どうして喫茶店の従業員にここまでボコボコに言われなくちゃいけないんだろう」

 そんな二人のやりとりを由希は穏やかな笑みを浮かべながら見守っていた。

「それじゃ、次行くね」

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