宇宙人
ある日、日本のどこかに、UFOが墜落した──。
ぷすぷすーっという音(笑い声のようにも聞こえる)とともに、UFOから煙が上がった。煙の色は、なぜか虹色だった。
「あー、死ぬかと思った」
コックピットハッチをガショコンッと開けて、青年が外に出る。現在進行形で眉間から血が噴き出ているが、命に別状はないようだ。さすがは宇宙人。
「こんなの、ツバつけときゃ治るだろ」
ツバをつけた。
血が止まった。
さすがは宇宙人である。
「オレが行きたかったのは、ウンタラホンダラカグア・ウバラッショダイケン・バヌヌスチプルルス星だったんだけど……。ここ、チプルルス星じゃないじゃん」
チプルルス星では、特殊な鉱石が採掘される。この青年も、一獲千金を狙って、鉱石を掘りに行く予定だったのだ。
「ここ、どこだろうな? こういう時は宇宙GPSの出番だ! って、故障中だったんだ……。ヒュドラドリフトのデータを違法インストールしたら故障するとは。サーペントドリフトの方にしときゃよかった」
違法なのはダメだと思います。
「仕方ない。現地の住人をキャトルミューティレーションすっか」
宇宙人の青年が物騒な事を言った時。
ボコッという音が、足元から聞こえてきた──。
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